「肺がん」の治療で最も確実なのは「手術」。従来の「開胸手術」に、「胸腔鏡手術」「ロボット手術」が加わり、3つの方法で行われています。どの手術を選ぶかは患者さん自身なので、手術をきちっと理解しておきましょう。

◎開胸手術 開胸手術はその名称通り、胸を切り開いて行う手術。皮膚は側方・後側方から15~30センチ程度切開します。そして、肋骨を切断・切除し、その隙間を器具で広げます。メリットは「手術部位が直接立体視(直視)、3次元(3D)で見える」、「手を入れるので複雑な手技も可能」、「難易度の高い手術にも対応できる」点です。デメリットは「術後の痛みが強い」、「入院期間が長くなりやすい」などです。

◎胸腔鏡手術(=VATS) 胸の側面に数センチ程度の孔を1~5カ所つくり、内視鏡カメラ、手術器具などを入れ、手術操作を行います。カメラの映像をモニターに映し、その画像を見ながら手術を行う方法と、8センチ程の小切開を1箇所加え、モニター視と直視で行う方法(ハイブリッドVATS)があります。メリットは、「傷口が小さい」「痛みが少ない」「回復が早い」。デメリットは、「モニター視では画像は2D」「菜箸状の直線的な鉗子による操作には制限がある」「複雑な手技が困難」などです。

◎ロボット手術(=RATS) 胸の側面に数センチ程度の孔を1~5カ所につくり、ロボットアームにカメラと手術器具を接続して孔から挿入します。術者はコンソールボックス(操縦席)から3D画像を見ながら、遠隔で器具を操作します。VATSのメリットに加え、「画像は10倍にまで拡大可能」「繊細な操作が可能(術者が手元で3センチ動かしても手術器具は1センチしか動かない)」「(VATS鉗子と比べ)関節があるロボット鉗子は制限が少ない」など、患者さんに加え、術者にも優しく、発展中の手術です。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)