大谷は、変化球が多く、試合の中で試しながら投げているように感じた。前回登板で1球も投げなかったカットボールを投げ、逆に多投したツーシームをこの日は1球も投げなかった。前回はパドレス、今回はナショナルズが相手で打線の違いはもちろんあるが、本人の中でテーマを持ちながら、ボールを投げているのだろう。
この日は1回を18球で投げ終え、もう1イニングいくかと思ったが、マウンドを降りた。複数イニングならもう少し試せることもあるが、1イニングなら球数も少なくなり、試せることも限られる。慎重に慎重を期して、少しずつ段階を上げているのだろう。プレーオフにピークをもっていくという感じで考えている可能性もある。
復帰2度目の登板もボール自体は問題なかった。スイーパーは前回登板同様に良かったし、球速も159キロが出ていて、出力の部分も変わらなかった。細かな部分で言えば、スプリットはまだまだ調整段階だが、イニングが増え、球数も増えてくれば試せることも増えてくるし、リリースの微妙な感覚や精度も上がってくるだろう。
前回登板で唯一の反省点に挙げた一塁へのベースカバーは、先頭打者への初球に、しっかりとスタートが切れた。初戦は緊張もあっただろうが、体に染み付いたものなので、思い出したのだろう。次は30球くらいがメドになってくるだろうが、心配なのはブルペン陣の負担。当面はブルペンデーのような形になるので、リリーフ陣のサポートが不可欠となる。
この日も1番でのスタメンだった。初回の投球後の打席の準備は大変だが、打線の流れがあるので変えたくないだろうし、本人も希望するのであれば、そのままでもいいだろう。この日も降板した後にホームランを打って、5打点でチームの勝利に貢献した。本格的な二刀流はまだ先になるが、着実に段階を踏んでいる。(日刊スポーツ評論家)




