阪神と優勝を争う巨人ナインの顔触れを見ると、メンバーの入れ替え時期の真っ最中にあるんだなと、あらためて感じる。巨人は常勝チームと言われて久しいが、それでも低迷する時期もあったし、長嶋さん、王さんが引退されてチームの骨格ががらりと変わるタイミングも何度も経験してきた。

今の巨人はまさにそのタイミングだろう。そして、同時に思うのは、ファンの皆さんはそういう生まれ変わりつつあるチームを見届ける楽しみ、新鮮味を思って応援してくれているのだろう、ということだ。

今年、この生え抜きの若い選手をどんどん使いながら、こうして優勝争いをしていることが非常に大きい。今年をチームが生まれ変わりの初年度ととらえるなら、私の認識では再来年あたりに、新チームの全貌(ぜんぼう)が見えてくるような予感がある。

その中で、やはり岡本の代わりとなる4番は誰になるのかと考えれば、この日の試合でもチャンスの糸口となった石塚は魅力があると言える。まだまだ、主軸を任せることはないだろうし、細かい技術的な指摘は割愛する。ただ、打席での構えを見る限りでは、打ちそうな雰囲気を感じさせてくれる。やや抽象的な表現にはなるが、こうした部分は、実は相手チーム、投手に与える圧力としては、なかなか大切なものだ。

ここから9月、10月に向けてどんどん試合に使って、結果を出すための試練を味わってほしい。その中で本人の引き出しも増えるのだ。また、浦田は9回に肝心な場面で盗塁を決め、試合を決める4点目のホームを踏んでいる。相手投手との兼ね合いもあるだろうが、多少のことは目をつむっても、今の浦田ならば試合で使うことが、育てながら勝つことへの最短距離になると感じる。

前日はリードを守れず延長の末にサヨナラ負けを喫したが、この試合では先発井上がしっかり7回を締め、勝ち星を2ケタにのせた。前日の負けを引きずらない見事なピッチングだった。

その中で石塚、佐々木、知念、小浜らの活躍で井上を援護したことは非常に光った。ここからどう変化、成長しながら、新しいジャイアンツに育っていくのか。とても楽しみだ。(日刊スポーツ評論家)

広島対巨人 5回表巨人無死、石塚裕惺は右前打を放つ(撮影・加藤哉)
広島対巨人 5回表巨人無死、石塚裕惺は右前打を放つ(撮影・加藤哉)
広島対巨人 5回表巨人無死、佐々木俊輔の右前打で石塚裕惺は三塁へ。左は佐々木泰(撮影・加藤孝規)
広島対巨人 5回表巨人無死、佐々木俊輔の右前打で石塚裕惺は三塁へ。左は佐々木泰(撮影・加藤孝規)
広島対巨人 5回表巨人無死一塁、佐々木俊輔の右前打で三塁まで進塁した一走石塚裕惺(撮影・加藤哉)
広島対巨人 5回表巨人無死一塁、佐々木俊輔の右前打で三塁まで進塁した一走石塚裕惺(撮影・加藤哉)
広島に勝利し、タッチを交わす巨人ナイン=マツダ(共同)
広島に勝利し、タッチを交わす巨人ナイン=マツダ(共同)