侍ジャパン源田壮亮内野手(30=西武)も「大変だとは思います」と言っていた。WBCでは二遊間両方での起用が見込まれる中野拓夢内野手(26=阪神)についてのことだ。

強化合宿初日、中野から「源田さんから捕球の際の右足の使い方について聞きました」と聞いた。右足が内側に入り体が流れやすい中野に対し、源田は「ガニ股」を推奨したという。これにより右足で踏ん張ることができ、捕球までの「タメ」が生まれる。この「タメ」があれば、バウンドが合わない時にも対応できる余裕が生まれる、という内容だった。

中野が“取材”したように、阪神担当の記者にとっても、他球団の選手を取材できる、またとない機会。源田には、中野の守備はどう見えているのか。まずは、21年盗塁王にも輝いた中野のスピードをポイントに挙げた。

「ほんとに足がよく動くので細かい動きが上手だと思いましたし、守備範囲も広い」

源田自身もルーキーイヤーの17年から3年連続30盗塁以上の俊足の持ち主。だからこそ、そのメリットを人一倍感じてきたはずだ。「守備範囲とか、前への動きでは差が出ると思います」。自身の武器を存分に生かしている中野の動きを称賛した。

一方で、冒頭の「大変」という言葉の通り、二遊間ともに高いクオリティーを維持することは、5年連続ゴールデングラブ賞の名手も決して簡単なことではないと推察する。乗り越えないといけないハードルは「角度」にあるという。

「ショートとセカンドじゃ、角度が結構違う。僕はセカンドはなかなか守ってこなかったけど、たまに練習で守った時に『この角度でいけばこのへんで捕れるな』って感覚をつかむのが難しいと感じるので」

ただ、中野は「捕ることはショートでもセカンドでも大丈夫」と捕球には自信を持っている。プロで2年間レギュラーを務めてきた遊撃での経験と、2月上旬のキャンプでの徹底した二塁守備の練習により、源田が懸念する問題をすでに解消しているといえる。

侍ジャパン強化合宿はまだ続く。ベースはすでにできている二遊間守備。さらに練習を重ねていけば、いつ、どんな場面でも栗山英樹監督(61)が安心して送り出せる状態にまで仕上がることは確実だ。源田も認めるスピードを生かし、国際舞台でビッグプレーを-。名手も「大変」と認める両立をやってのける日が待ち遠しい。【阪神担当=中野椋】