プレミア12に出場する各チームの注目選手を紹介する連載の第2回は、アジア・オセアニア編です。

23年11月、アジアプロ野球チャンピオンシップの練習でキャッチボールをする台湾の古林睿煬
23年11月、アジアプロ野球チャンピオンシップの練習でキャッチボールをする台湾の古林睿煬

台湾代表には、日本プロ野球から注目を浴びている投手がいる。最速157キロの右腕、統一の古林睿煬(グーリン・ルェヤン)投手(24)だ。台湾リーグ(CPBL)6年目の今季は21試合で10勝2敗、防御率1・66で最優秀防御率のタイトルを獲得した。今オフに所属球団の承認を条件に、海外移籍が可能になる権利を持つ。日本ハムが早い段階からマークし、9月には現地で球団幹部らが直接チェックした。

昨秋のアジアプロ野球チャンピオンシップ(ACS)で侍ジャパン相手に6回1死まで完全投球を披露。鮮烈な日本デビューにSNSで「台湾のピッチャー」としてトレンド入りした。日本相手に快投した試合後には「チャンスがあれば憧れの日本や大リーグに挑戦したい」と話していた。

台湾は、CPBLで2度も打率4割をマークした「大王」こと王柏融外野手が日本ハム入りするなど、NPBともなじみ深い。王とは逆に、日本のDeNA、ロッテでNPB通算11勝を挙げている左腕、陳冠宇投手(34)は、台湾リーグに戻り、今回も代表入りしている。日本語が得意で、日本野球には精通しているだけに、チームにとっては大きな戦力となるはずだ。

WBCや五輪など、どんな国際大会でも日本のライバルとなる韓国には、ドジャース大谷翔平のようにパワーとスピードを兼ね備える若きスターが名を連ねそうだ。まだ高卒3年目、右打ちで21歳のKIA金倒永内野手。今季、韓国リーグ(KBO)で惜しくも史上2人目、韓国選手では初の「40-40」には届かなかったが、38本塁打、40盗塁をマークした。それでも「30-30」は歴代最年少でクリア。シーズン143得点は、リーグ記録を更新した。

弱冠20歳だった昨年のACSの日本戦では2番三塁でスタメン出場した。4打数無安打に終わり、チームもサヨナラ負けしたが、東京ドームで貴重な経験を積んだ。今後、長期間にわたって韓国代表を背負っていくであろう逸材。今回は世界大会でどこまで力を発揮できるのか試金石となる。

アジア・オセアニアの注目選手
アジア・オセアニアの注目選手

オーストラリアには、7月に行われた米大リーグのドラフト会議で、同国人で史上初めて全体1位指名を受けた選手がいる。米オレゴン州立大からガーディアンズ入りしたトラビス・バザーナ内野手(22)。シドニーの高校時代はクリケットの選手としても活躍。野球ではU18、U23と世代別代表としてプレーし、米国に留学。2年連続オールスター出場のラッチマン(オリオールズ)らを輩出した名門大で、通算本塁打記録も更新した。太平洋地域のリーグではMVPに選ばれた。

ガ軍とは895万ドル(約13億4000万円)で契約を結んだ。プロ1年目の今季は、上級1Aで27試合に出場。右投げ左打ちで主に二塁を守り、打率2割3分8厘、3本塁打、17打点、5盗塁だった。MLB30球団のルーキーリーグから3Aまで合わせた有望株ランキングで全体12位、球団では1位。将来のスター候補として大切に育成されている。大学の先輩ラッチマンがドラフト全体1位指名されたのが19年で、メジャーデビューが22年。同じペースで育成されると、27年には大リーグに昇格しそうだ。

オーストラリアは、昨年行われたWBCに出場した選手も多い。17年にオリックスで育成枠でプレーしたダリル・ジョージ内野手(31)は、今回も主軸を任されそう。打撃はパワーだけでなく、ウエスタン・リーグで打率2割7分8厘を残した、日本仕込みのテクニックも兼ね備えている。【斎藤直樹】