今季ワーストの候補に入るゲームだったかもしれない。現状はBクラスに沈む中日相手に勝敗は仕方がないとしても内容が悪いのだ。守備の乱れが目立っての7失点に加え、打線は10安打を放ちながら1得点だけ。それも敵失絡みで打点は「0」だ。
失策は3つ。2回、遊撃スタメンの熊谷敬宥についた送球エラーは気の毒な気もするが5回にサード佐藤輝明がはじき、9回には途中出場の元山飛優も記録した。これでチーム失策は「57」に。これはヤクルトと並びリーグワースト・タイとなってしまった。
さらに言えば左翼スタメンのガルシアだ。ハッキリ言って守備に不安があるのは覚悟しての見切り発車と言えるが、やはり、不安である。2回、マラーの左中間の当たりに滑り込んで止めようとしたがそらし、三塁打に。7回、サノーの飛球もスライディングキャッチを試みながら後逸だ。
そんなことが積み重なって「1-7」の完敗。5月20日の中日戦(甲子園)では7点のビハインドを終盤に跳ね返して逆転勝利を決めたが、その勢いは残念ながら今は感じられない。
象徴的な数字もある。これで99試合を終えて54勝44敗1分けの阪神は貯金「10」。これはすべてビジターで稼いだものだ。甲子園、京セラドーム大阪、そして倉敷マスカットでの主催試合は、この日で24勝24敗1分けのジャスト5割となった。
「甲子園の野球」という話を指揮官・藤川球児は、ときどき、する。表現はいろいろだが要するに「投手を中心に守り切る野球」ということだろう。これは強いチームに共通するものでもあると思う。
だが現状、阪神の勝ち方はそういう感じではない。森下翔太や佐藤輝明に1発が出て、打ち勝つ。「打力のチーム」と言えば聞こえはいいが、甲子園を本拠にする球団としては理想に遠いと言うしかない。
「すべてこれからですね。まだまだ顔を上げて明日戦うというところで。それを絶対に降ろさないというところになります。まだまだ戦いは続きますから」。敗戦後の球児はそう話し、気持ちを次につなげるしかない様子だった。
シーズンも2/3を過ぎて「これから」とは苦しいと思うけれど今季に限って言えばまだ先は見えない。来週11日から予定される巨人との首位決戦に向け、まず9日はいい結果を出したいところだ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




