高崎健康福祉大高崎(群馬)は、4番柴引良介内野手(3年)が特大ソロを含む3打点の活躍。チームスローガンの「機動破壊」ならぬ、「打撃破壊」で大勝した。

 ダイエット効果はテキメンだった。5回走者なし。高崎健康福祉大高崎の柴引がフルカウントから外角高めにきた直球をフルスイングすると、打球は左中間席へ吸い込まれた。「真っすぐを狙っていました。思ったより飛んでくれました」。先制の適時打も放った177センチ、88キロの“ぽっちゃりスラッガー”は、通算20本目、甲子園初アーチに満面の笑みだ。

 昨夏の甲子園準々決勝で大阪桐蔭に敗れた。「体格の違いを感じた」(青柳博文監督)チームは、昨秋から「体のトータルコーディネート」に取り組んだ。個人カルテに毎日食べた物とトレーニング内容を記入しコーチが徹底管理した。大多数の目標は「体重増」だったが、柴引だけは減量だった。「1月からお菓子を食べていません」。大好きなスイーツを断ち体重は92キロから4キロ減った。「スイングが鋭くなりました」。我慢が実った1発だった。

 チーム平均では体重3~4キロ増、ベンチプレスは117%増になったことも、13安打9得点の猛打につながった。お家芸である盗塁は4つだったが、初回の先制点は四球から二盗した後、投手の暴投で得たもの。足で稼いだ内野安打、三塁打もあった。

 柴引の本塁打も一塁けん制が2度あった後、甘く入った球を捉えたものだった。青柳博文監督(42)は「盗塁の数だけが機動破壊じゃない。得点につながる走塁やけん制もそう。見えない効力がある」と振り返った。肉体改造と、数字に表れない「機動破壊」が勝利へと結びついた。【和田美保】