メジャー通算700本塁打にあと4と迫っているヤンキースの指名打者アレックス・ロドリゲス(41)が、現役継続危機に陥っている。禁止薬物使用による1年間の出場停止処分から復帰した昨季は本塁打35本をマークし、打撃健在ぶりをアピールした。だが、今季は深刻な不振で前半戦の途中からレギュラーの座を剥奪され、相手先発が左腕のときなどはスタメンを外され、さらにはスタメン出場も徐々に減らされるようになった。イチローが通算3000安打、A・ロッドが700本塁打を達成すれば、メジャーでは史上初の3000安打と700本塁打の1シーズン同時達成になるが、今の状況ではそれも厳しそうだ。

 A・ロッドは08年から結んだ10年の大型契約が来季まで残っており、来季年俸は2100万ドル(約22億円)。さらに660本塁打から763本塁打までは節目の記録ごとに600万ドル(約6億3000万円)のボーナスが付くことになっているが、年齢的衰えが顕著な高額年俸選手の処遇を巡って球団も揺れているようだ。キャッシュマンGMは最近行った会見で、A・ロッドについて問われると「彼に関しては、監督とコーチの考えに一任する。試合に勝つためにベストの打線を組むことを最優先にしてもらいたい」と、A・ロッドを特別扱いしないことを明言。ジラルディ監督は「彼とは起用について話をしているし、彼を試合に出す機会を探している。状況に応じて代打で起用するなど考えている。彼には辛い状況かもしれないが、私もつらい。こういうケースには感情的な部分も混じってくるし、関わっている全員に精神的負担がかかってくる。彼にとっても球団にとっても私にとっても難しい状況だ」と、苦悩の表情で話していた。A・ロッド自身は「何が起ころうと、僕は冷静に受け止める。(トレードにより)有望な若手が多数加わったヤンキースの未来は明るい。僕自身もその将来の構想の中にいたいけれど、もしそうでなければ、それを受け入れることはできる」とすでに腹をくくっている様子。禁止薬物使用などのスキャンダルもあったが、一時はメジャー最高年俸の球界を代表する選手だっただけに、この現役晩年の状況は寂しい限りだ。

【水次祥子】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「書かなかった取材ノート」)