メジャーはポストシーズンに突入したが、ニューヨークでは今年1年、ヤンキースとメッツの明暗がくっきりしたシーズンだった。昨季リーグ優勝を果たし15年ぶりにワールドシリーズに進出しているメッツは、今季のシーズン当初から人気面でもヤンキースに負けないほどの勢いで、本拠地シティフィールドは連日満員。テレビの視聴数では今季、ついにヤンキースを完全に上回ったという。先日発表された今季の視聴数は、メッツの中継を放送するケーブルテレビ局SNYは1試合平均26万3850世帯、ヤンキース専属ケーブルテレビ局YESの1試合平均が21万8000世帯、視聴率でいうと、メッツ戦は2・73で、これは08年以降では最高だったという。ヤンキースの視聴数低下は、YESとケーブルテレビ会社がもめているためニューヨーク地区の約90万世帯でYESの放送が視聴できない状態にあることも大きな要因だそうだが、それでもメッツのファン拡大は今季大きく目立っていた。

 5日に行われたジャイアンツとのワイルドカードゲームでは地区シリーズ進出は果たせなかったものの、メッツ本拠地シティフィールドは4万4000人以上の観客が詰め掛ける満員御礼で試合開始から異様な熱気と盛り上がりだった。記者席には両チームの番記者や地元ニューヨークの記者だけでなく、USAトゥデー、ESPN、FOX、スポーツイラストレイテッドなど全米の有名野球ジャーナリストがずらりと顔をそろえていた。メッツの本拠地にこれだけ全米からメディアが集まるのは、おそらくワールドシリーズ以来だったのではないか。

 一方、過去27度世界一に輝いている名門ヤンキースはポストシーズン進出を逃し、メッツのワイルドカードの試合が行われた同じ日に同じニューヨークで、キャッシュマンGMがシーズンを総括する会見を開いた。「ポストシーズン進出は逃したが、若手が活躍し、球団内にはポジティブな空気に満ちている」と前向きに話していたが、出席した記者は普段より半分以下のわずか18人という寂しいものだった。

【水次祥子】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「書かなかった取材ノート」)