ヤンキースの来季先発ローテはどうなるのか。

地元ニューヨークのメディアとファンの間で今オフ、それが大きな注目点になっている。絶対的エースの右腕ゲリット・コール(30)を擁してはいるが、2番手以下は今のところまったく固まっていない。田中将大(32)、J・A・ハップ(38)、ジェームズ・パクストン(32)の3人がFAとなり、今年2月にトミー・ジョン手術を受けたルイス・セベリーノ(26)は復帰が来季後半以降になることが濃厚。オフに入って先発投手市場は少しずつ動いているが、ヤンキースの具体的な動きはまだ見えてきておらず、ファンの不安が募っている。

ヤンキース周辺からはさまざまなローテ構築案が提案されている。FA市場の先発投手を積極的に獲得に動くべきという声ももちろんあるが、組織内から登用し若いローテを作ればいいという意見も出ている。

そんな中で、ユニークな提案をしているのがヤンキースの試合中継を行っているテレビ局YESのアナウンサー、マイケル・ケイ氏だ。何と、抑え左腕アロルディス・チャプマン(32)を先発に転向させるべきだと主調している。

チャプマンといえば最速105マイル(約169キロ)の速球を持ち、メジャー通算276セーブを誇るトップクラスのクローザー。だがケイ氏はMLBネットワークの番組で「チャプマンはもう、圧倒的な剛速球は投げられない。99~101マイル(約159~163キロ)なら投げられるが、その程度の球速が出る投手は今やメジャーにたくさんいる」と指摘し「チャプマンはもともと先発だった。ヤンキースは先発が圧倒的に足りない。リリーフ陣には、ブリットンという経験豊富なクローザーがもう1人いる。チャプマンが先発に転向するのが、最良の解決策ではないか」と力説した。

この意見に対するネットでのファンの反応は「クレイジー過ぎる」など、批判的な意見が多かったが、そんな過激な意見が飛び出すほど来季先発ローテに対する不安が大きいということだろう。もし田中の残留が決まれば、周囲は大きく安堵(あんど)するだろうが、今のところ球団周辺から具体的な情報は出ていない。米国の熱心なヤンキースファンは、田中のSNSの投稿をまめにチェックしては、そこから読み取れる田中の現在の状況や心境についてさまざまに臆測を巡らせ、気をもんでいる。