英語を全て理解できなくても、不思議と前のめりになって聞き入ってしまう。そんな“演説”だった。エンゼルスのジョー・マドン新監督(65)が、24日(日本時間25日)、エンゼルスタジアムで監督就任会見を行った。冒頭のスピーチでは約18分。その後の質疑応答を含め、約40分間、ほぼ休みなくしゃべり続けた。
自身が75年にエンゼルスと契約を交わした75年当時の回想から、エ軍のOBや関係者とのコネクション、バランスのいいデータと感性の必要性など自身の野球論まで、まさに“熱弁”だった。聞き手を取り込む演説者のような人は米国で多く見かけるが、マドン新監督のジェスチャーを加えたスピーチはまるで、「マドンワールド」にでも入ったかのような空気感だった。
もちろん、持論を押しつけているわけではない。「メジャーリーガーたちは、自分が抱いた疑問に対して答えを持っている。どうしても必要であれば、こちらの意見を与えて、正しい結論を出していく」と、基本的には選手の考えを尊重しながら対話をしていく重要性を説いた。さらに、「ルールはないと思っている。何が正しいか何が正しくないかは当人が理解し、また決めていくものだと思う」と強調した。自分を信じて、迷えば周りが手助けをする-。胸を張り、自信に満ちたスピーチから、マドン監督の信念が感じられた。
レイズでは就任3年目にワールドシリーズ進出。カブスでは就任2年目に球団108年ぶりの世界一に導いた。エンゼルスは来季、大谷翔平投手(25)が投打の二刀流で復活を目指す。大谷を含めた投手陣の整備が急務だが、名将をもってしても、チームの立て直しには時間がかかるかもしれない。思い描く夢はワールドシリーズでカブスを倒して世界一となること。強い信念があれば実現できる-。長い目で、マドン監督の今後に期待したい。【MLB担当=斎藤庸裕】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「ノブ斎藤のfrom U.S.A」)




