エンゼルス大谷翔平投手(27)が初の開幕投手を務めます。しかも4月7日(日本時間同8日)、本拠地で昨季地区優勝のアストロズ相手に、代名詞にもなったリアル二刀流の「1番投手」での出場になりそうです。

これは元祖二刀流のベーブ・ルースの時代にもなかったことです。ルースは1916~18年のレッドソックス時代に3年連続で開幕投手を務めましたが、当時は二刀流プレーヤーではありませんでした。厳密に言うと、18年5月から登板しないときは一塁やレフトを守るようになり、19年の開幕戦も投手でなく4番レフトでの出場でした。

そういう意味で、開幕戦で最も投打にわたって活躍した投手と言えば、現役のマディソン・バムガーナー(32=ダイヤモンドバックス)かもしれません。2010、12、14年とジャイアンツで3度の世界一に貢献。大谷以外では現役投手最多の通算19本塁打を誇り、シルバースラッガー賞を2度受賞。16年にオールスターゲームの本塁打競争にも出場志願したほどの強打者です。

そんな大谷が出現するまでは、メジャーを代表する強打の投手だったバムガーナーは17年開幕戦で、ダイヤモンドバックス相手に7回3失点11奪三振と好投。また、5回に1号本塁打を放つと、7回には3対3の同点から勝ち越しの2号アーチ。その後チームは逆転負けを喫し、勝利投手にはなれませんでしたが、大リーグ史上初の開幕投手による開幕戦2発を記録しました。

バムガーナーの前に開幕戦でホームランを打った投手は、ドジャースのエース左腕クレイトン・カーショー(34)です。13年に宿敵ジャイアンツとの開幕戦で9回4安打無失点で完封勝利。0-0の8回に自ら均衡を破る勝ち越しホームランを放ちました。

開幕戦で完封勝利&ホームランといえば、他には殿堂入りしたボブ・レモンだけです。インディアンス時代の1953年に、ホワイトソックスとの開幕戦で1安打完封勝利。1940年の「火の玉投手」ボブ・フェラー(インディアンス)に次ぐ、史上2人目の開幕戦ノーヒットノーランか? という快投でした。

近年は先発投手の球数制限により完投が少なくなり、特に春先はどんなに好投しても90球程度で交代させられます。さらに今年はロックアウトによるキャンプ短縮で投手は調整不足のため、開幕投手の先発完投は不可能に近いでしょう。

したがって開幕投手の大谷には、勝利投手とホームランの同時達成が理想的なシナリオです。また、1番打者で出場なら打席が多く回り、さらに今季から“大谷ルール”適用により、降板後もDHで出場できます。開幕投手で史上初の勝利投手&マルチ本塁打という「バムガーナー超え」も、大谷なら決して夢物語ではないでしょう。(大リーグ研究家・福島良一)

大谷翔平(2021年10月3日)
大谷翔平(2021年10月3日)