ワールドシリーズ終了とともに、大リーグは移籍市場が始まります。6日(日本時間7日)にヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(30)ら131人のフリーエージェント(FA)選手が発表され、10日(同11日)から全球団と交渉が可能になりました。大谷翔平投手(28)が所属するエンゼルスからも、今季8勝のマイケル・ロレンゼン投手(30)らがFAに。前回コラムでは投手補強について記しましたが、野手も補強する必要がありそうです。
エンゼルスは今季、ア・リーグ12位のチーム打率2割3分3厘、623得点。MLBを代表するスーパースター、マイク・トラウト外野手(31)が3年ぶりの40本塁打と復活し、大谷も2年連続MVP級の活躍を見せましたが、8年連続でポストシーズン進出を逃すなど、物足りない成績に終わりました。
攻撃陣で最大の課題は内野手、および外野手の強化です。まず内野では、トラウト、大谷とともに中軸を担うアンソニー・レンドン三塁手(32)が、右手首の手術により3年連続で長期離脱。わすか47試合の出場に終わりました。デビッド・フレッチャー二塁手(28)も左右内転筋の修復手術の影響で61試合のみ。ジャレド・ウォルシュ一塁手(29)も打撃不振が続き、最後は胸郭出口症候群でシーズンを終えました。ルイス・レンヒーフォ内野手(25)が自己最多の127試合出場とブレークしたものの、誤算続きでした。
一方、外野はセンターのトラウトを中心に、右翼のテイラー・ウォード(28)が成長。3番大谷の援護砲としても大いに活躍しました。しかし、元若手有望株NO・1のジョー・アデル(23)が攻守ともに伸び悩みました。また、8月のトレード期限にフィリーズから獲得した元ドラフト全体1位のミッキー・モニアック(24)もケガに泣き、精彩を欠きました。
来季補強に関しては、内野はケガ人が出た場合などに備えて二遊間を強化し、一、三塁も改善の余地がありそうです。また、外野は左翼に若手2人と定位置争いできるベテランの存在が必要です。
中でも、内外野とも三振が少なく、コンタクト能力の高い選手補強は急務でしょう。なぜなら、今季の三振数はメジャー30球団ワーストの1539。特に、レンドンやフレッチャーのように三振が少ない選手の欠場が響き、ランナーを置いても進塁打が出ず、得点できませんでした。
そういう意味では、ポスティングシステムでメジャー移籍を希望しているオリックス吉田正尚外野手(29)の動向が気になります。今季はパ・リーグ2位の打率3割3分5厘、80四球と選球眼も良く、三振はわずか41。エンゼルスはまさに、吉田正のようにパワーがあって三振の少ない打者を求めているからです。
今季世界一に輝いたアストロズは2019年、ベテランのマイケル・ブラントリー外野手(35)をFAで獲得しました。彼のように四球が多く、三振の少ないバッターが1人加わったことで、チーム全体の打席でのアプローチが大きく変わりました。今オフ、エンゼルスが日本人投手だけでなく、日本人野手の獲得にも動きだすのか、とても興味深いところです。(大リーグ研究家・福島良一)(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)




