日本人初の偉業は、エンゼルス大谷翔平投手(29)だけの専売特許ではありません。日米通算200勝まであと4勝に迫るパドレスのダルビッシュ有投手(36)が日本人メジャー初、メジャー史上でも22人目の大記録に挑みます。
ダルビッシュは7月29日のレンジャーズ戦で今季8勝目をマーク。デビューから5年半在籍した古巣から初勝利を挙げ、全30球団勝利まで、未勝利のカードはオリオールズ戦を残すのみとなりました。そのオリオールズとは8月14~16日(日本時間15~17日)に本拠地で3連戦があり、ローテーション順なら登板濃厚です。
オリオールズにはレンジャーズ時代の2016年に1試合を投げたのみで、7回途中3失点で負け投手に。8年越しに巡ってきた雪辱の舞台で、全球団勝利の偉業も懸かることになりました。
日本人投手で29球団勝利は野茂英雄、黒田博樹もマーク。ただ全30球団勝利となると、これまで大リーグでも21人しかいません。1998年にデビルレイズ(現レイズ)とダイヤモンドバックスが加わって30球団となり、2002年に当時メッツの左腕アル・ライターが初の全30球団勝利を達成しました。
最近では21年にヤンキースの右腕ゲリット・コール、今年5月に当時メッツの右腕ジャスティン・バーランダー(現アストロズ)が全30球団から白星を挙げました。現役では他に右腕マックス・シャーザー(レンジャーズ)、右腕ザック・グリンキー(ロイヤルズ)を含む4人が偉業を成し遂げています。コールは通算140勝で、ほかは200勝トリオです。
全30球団勝利ともなると、将来殿堂入りするような大投手ばかりと思われそうです。実際は、通算165勝のハビアー・バスケス(元エクスポズなど)、同132勝のウッディ・ウイリアムズ(元ブルージェイズなど)ら、殿堂には届かなかった投手の方が多いです。現時点で殿堂入りを果たしたのは、最強左腕の1人に挙がるランディ・ジョンソン(元ダイヤモンドバックスなど)ぐらいです。
むしろ、ア、ナ両リーグを通じて幾つものチームに在籍しながら、なおかつ高いレベルで長年にわたって活躍した投手が30球団勝利を手にしています。ダルビッシュはメジャー通算103勝ですから、効率良く白星を重ねてきたといえます。
ダルビッシュは12年のレンジャーズ入団以来、ドジャース、カブス、パドレスと両リーグ合わせて4球団に在籍。右肘手術で15年シーズンを全休したときもありましたが、その苦難を乗り越えました。レンジャーズ、カブス、パドレスと3球団で各6年契約を勝ち取るなど、輝かしいキャリアと信頼を得てきました。
ちなみに、エンゼルス大谷は6年間で18球団から勝利。他に6球団との対戦は未勝利。カブス、メッツ、フィリーズなどナ・リーグ5球団には投げたことがありません。しかし、今年から大リーグは対戦方式が変わり、全球団が他29球団と総当たりで対戦することになりました。全球団から白星を挙げるチャンスが一気に広がりました。もし、今季終了後にFAで他球団に移籍すれば、大谷も全30球団勝利が現実味を帯びてきそうです。(大リーグ研究家・福島良一)(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)




