エンゼルス大谷翔平投手(29)の2023年シーズンが16日(日本時間17日)、思わぬ形で終了しました。4日の試合前練習で右脇腹を痛めて11試合連続欠場。精密検査で右腹斜筋の損傷が判明したことでこの日、4年ぶりに負傷者リスト入りしました。WBC優勝と同MVPで始まった渡米6年目のシーズンでしたが、8月23日には右肘の靱帯(じんたい)損傷も判明。投打ともに体が悲鳴を上げたことで、終戦を迎えました。
それでも、開幕から中5日の先発マウンドを守るなど、今季も投打にフル回転。チーム最初の137試合で欠場は2試合のみ。5月3日以降は投打二刀流を続けながら、右脇腹を痛めるまで全試合で先発出場しました。
その結果、元祖二刀流ベーブ・ルースも超越する史上初の「2年連続2桁勝利&2桁本塁打」を達成。また、史上8人目の複数回「40発&20盗塁」など数々の偉業を成し遂げました。さらに投打とも好成績を残し、投打主要3部門すべて上位にランクイン。特に、本塁打王争いでリーグトップを独走中です。一時は打率、打点もトップ争いを繰り広げるなど、「3冠王か?」と騒がれるほどの活躍ぶりでした。
しかし、9年ぶりのプレーオフ進出を目指したチームは、8月1日のトレード期限に積極補強しながら大失速。15日には地区優勝が、16日には9年ぶりのプレーオフも完全消滅。大谷は2018年のエンゼルスに入団以来、優勝どころか1度もペナント争いに加わることなく、毎年勝率5割以下という残念な結果になりました。
それでも、日本人初のホームラン王と自身2度目のMVPは濃厚です。21年のア・リーグMVPに満票で輝いたシーズン、昨年史上初の「ダブル規定到達」したシーズンを上回るほどの、歴史的なシーズンだったと言っても間違いありません。
そして、元祖ルースの二刀流シーズンは実質2年でしたが、大谷は3年連続ほぼフルシーズンで二刀流をやり遂げたことに、最大の価値があります。これは、メジャーの歴史でも永遠に語り継がれる偉業になるでしょう。
大谷は近日中に2度目の右肘手術を行う見通しです。靱帯再建術(通称トミー・ジョン手術)に関しては、最初の手術に比べて2度目は成功率が低く、時間も要すると言われます。それでも、肉体的な持久力はもちろん、精神的な強さがあれば、投打の二刀流として必ず完全復活してくれると信じたいです。2度のMVP級の働きをもってしても、優勝出来なかったことは残念ですが、大きな夢と感動を与えてくれた6年間に感謝の気持ちで一杯です。【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)




