ドジャース大谷翔平投手は、投打二刀流復帰まで打者に専念しています。しかし、例年に比べて後半戦に入っても、あまり成績が上がってきません。

最も顕著なのが、24年のドジャース移籍後から2年連続でナ・リーグ1位だった得点です。とりわけ、昨年は近代野球における球団記録でメジャー断トツの146得点をマーク。しかし、今年は8月14日(日本時間15日)時点でリーグ7位タイの77得点にとどまっています。それは1番大谷の後続打者にも原因があると思います。

なぜなら、今季ドジャースは30球団中トップのOPS.766をマーク。ところが、2番打者に限っては28位のOPS.667と極端に低い数値です。近年メジャーでは最強打者が2番を打つ時代において、大谷以外にも幾多の強打者をそろえながら、下から3番目とは不思議で驚くべき状況です。

今シーズン開幕当初は新加入のカイル・タッカーを2番に起用。その後フレディ・フリーマン、ムーキー・ベッツを2番に据えるが、いずれもパッとせず。そこで5月26日以降若いアンディ・パヘスが2番に抜てきされると見事な活躍ぶり。それでも、下位を打っていた時期に比べると、多少成績が下がっています。

それによって、24年はリーグ2位の842得点、昨年は同1位の825得点でしたが、今年は14日時点で同4位の613得点。特に、シーズン後半は同11位の107得点と低下。とにかく、近年に比べてチームの得点力不足が気になるところです。そこで3年連続得点王にもこだわる大谷のスピードに注目です。

最近、大谷は左膝に不安を抱えながらも積極果敢な走塁が目につきます。特に印象的だったのは10日(同11日)のロイヤルズ戦。3回裏に適時二塁打を放つと、3番フリーマンの左前打で好走塁を見せて生還。その背景にはディノ・イーベル三塁コーチによる大谷のスピード、アイザック・コリンズ左翼手の弱肩を見抜く的確な判断もありました。

以前、このコラムで書いた記憶もありますが、昔からメジャーでは三塁コーチの判断により「チーム全体で年間30得点は増える」と言われています。その点でエンゼルス時代から大谷をよく知るイーベル氏は、三塁コーチとして高い評価を受け、2大会連続でWBC米国代表の三塁コーチに任命されたのもうなずけます。

その試合では7回裏に中前打を放ち、実に5月16日以来となる盗塁も成功。さらにフリーマンの右前打で全力疾走し、決勝のホームに滑り込みました。本人も以前「1番を打っている以上、打点以上に大事だと思っています」と話した通り、リードオフマンとしての役割を果たすためけがを恐れず、果敢に挑む姿が印象に残ります。

思えば、24年に当時1番打者だったベッツが左手を骨折し長期離脱。2番打者だった大谷が1番に起用され、チームの得点力を上げるため持ち前のスピードを遺憾なく発揮。その積み重ねが前人未到の50本塁打&50盗塁、いわゆる「50-50」の偉業達成に結び付いたのを思い出します。

そういった意味でも、今後ドジャースが3年連続世界一に輝くための最大のキーマンは、ナ・リーグで3年連続MVPを目指す大谷はもちろん、その後を打つ2番打者の存在にありそうです。

【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)