ヤンキース田中将大投手(28)とレンジャーズのダルビッシュ有投手(30)がメジャーで初対決し、名勝負を演じた。互いに1歩も譲らず、田中は8回3安打9奪三振、ダルビッシュは7回2安打10奪三振で、ともに無失点に抑えた。メジャーリーグでも球史に残る投手戦を日本人2人が演出した。試合はヤンキースが延長10回、2-1でサヨナラ勝ちした。

 不調が続いていたヤンキース田中が、ダルビッシュとの対決でよみがえった。苦しんでいたスプリット、スライダーは切れを取り戻し、速球はこの日最速の96マイル(約155キロ)を連発。過去の対戦で2本塁打を含む13打数7安打と苦手にしてきたナポリには2四球を与えたものの安打は許さず、過去に打率6割6分7厘と打たれている秋信守、3割3分3厘だった主軸ベルトレをいずれも3打数無安打と完璧に抑えた。

 奪った空振りは今季2番目に多い23スイングで、三塁も踏ませずに8回を100球で無失点に抑えた。

 田中 やることをしっかり集中してやっただけ。(失投は)全然ありました。うまく切り替えながら投げられたんじゃないかと思います。

 尊敬する2学年上の先輩と互角に渡り合った。登板前日まで「投げ合いが楽しみ」と話していた。だが、この日は「相手がダルさんというのは頭にあったけど、ゲームに入れば相手にするのは打者。そこに全神経を自然に持っていけた。1球1球しっかり意思を持って投げられた」と、手応えをにじませた。

 それでもダルビッシュとは対照的に、味方の攻撃の間はダッグアウトの裏に入ってチェック。「ダルさんがいい投球されてるんで、いい投球してるなと、裏でね、見てはいました」と明かした。白星こそ逃したが、チームの延長10回サヨナラ勝ちに貢献。地元ニューヨークファンを熱狂させた。【水次祥子】