レンジャーズからドジャースに移籍したダルビッシュ有投手(30)のトレードが、ド軍で投手コーチを務めるリック・ハニーカット氏(63)の現役時の状況によく似ていると、3日付の地元紙ロサンゼルス・タイムズ電子版が伝えた。

 現役時代に左腕として活躍したハニーカット氏は、オフにFAとなる83年の8月に、プレーオフ争いから脱落したレンジャーズから3・5ゲーム差で2位のドジャースにトレードされた。8月までに14勝8敗、防御率2・42をマークし、オールスター戦にも出場。ダルビッシュのようにプレーオフ進出、ワールドシリーズ制覇に向けた補強で、同記事は「移籍後初登板を控えるダルビッシュの気持ちが分かる人がいるとすれば、それは新しい投手コーチだ」と、良き理解者になるだろうと期待した。

 移籍前に抜群の成績を残したハニーカット氏だが、ド軍では初登板から2連勝後、5試合で計23失点と炎上が続いた。シーズン終盤は中継ぎに回り「私はひどかった」と当時を振り返った。この年、ドジャースはブレーブスを3ゲーム差で上回り地区優勝。プレーオフではリーグ優勝決定シリーズで敗退した。同氏はドジャースと契約延長し、87年途中にアスレチックスにトレードされるまで在籍した。

 ハニーカット氏は自身の経験から、ダルビッシュが捕手と良い関係性を築けるかどうか懸念しているのではないかと推測した。「今まで投げたことがない相手に投げるんだ。私の仕事は、彼とキャッチャー陣が同じ考えを共有できていることを確認すること」。また、登板間などのルーティンに関しては「彼が(これまでのスタイルを)変える必要はない。我々の方が彼に適応していくんだ」と、右腕への信頼を口にした。

 ダルビッシュはこの日、遠征先アトランタのブレーブス戦前に移動しニューヨーク入り。4日午後7時10分(日本時間5日午前8時10分)開始予定のメッツ戦で新天地デビューする。