開幕マウンドもある? 大谷翔平が入団を決めたエンゼルスはリーグ屈指の打者であるトラウトを中心とした強力打線を誇るが、先発投手陣はやや手薄。エプラーGMは大谷の投手としての完成度を高く評価しており、先発の軸として起用される可能性は高い。ちなみにエンゼルスの来季開幕戦は3月29日、敵地でのアスレチックス戦だが…。

 エンゼルスは14年に地区優勝を果たしたのを最後にポストシーズンから遠ざかっているが、打線はア・リーグ最優秀選手に2度、球界NO・1選手と呼ばれるトラウトを中心に、通算614本塁打のプホルス、今オフに5年間契約延長したアップトンら右の強打者が並ぶ。一方で大谷が入る見込みの先発ローテは、ここ数年間故障者が多く、信頼できる投手がほぼ不在。エプラーGMは「大谷は投手としてはすでに成熟した投球ができる。打者としても能力が高く、チームにインパクトを与えられる打者だと考えている」と話しており、投手としての完成度を評価しながらも、二刀流で起用していく考えを示している。

 先発ローテには、エース格だが今季故障で6試合の登板にとどまった右腕リチャーズ、今季14試合の登板に終わった右腕シューメーカー、今季自己最多の11勝を挙げた右腕ラミレスらがいるが、絶対的なエースはいない。大谷がキャンプから好調子をアピールしていけばローテの中心になる可能性は十分で、開幕戦の登板も夢物語ではない。二刀流をするとなれば6人ローテになる見込みで、大谷の負担を減らすため登板間隔を空けることになっても、ローテを頻繁に入れ替えるなどして流動的に起用することは可能だ。

 一方で、打者としての大谷は、DHとして起用されることになりそうだ。外野陣は右翼カルフーン、中堅トラウト、左翼アップトンと主力選手で埋められている。DHは、もともと一塁だったプホルスが足の故障のため、16年以降はほぼDH専門となっているものの、来季は足の状態が良ければ一塁を多く守らせることになりそうだ。左の強打者も少なく、大谷が力を発揮する舞台は整っている。