47歳イチロー氏「劇的に球が速くなった」練習継続

  • 第73回新聞大会で講演するイチロー氏。右は三田フジテレビアナウンサー(撮影・前田充)
  • 第73回新聞大会で講演するイチロー氏。右は三田フジテレビアナウンサー(撮影・前田充)

マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏(47)が26日、一般社団法人日本新聞協会主催で加盟社向けに行われた、神戸市内での新聞大会で「スポーツが持つチカラ」と題した記念講演を行った。19年3月21日に現役引退後、日本では今年初めて公の場に登場。同日の東京ドームでの引退試合を「よく思い出すんです、あの瞬間。あれが2020年だったら、どうなんだろう。東京で試合ができない、最後の瞬間もない…。今年だったらリモートで『辞めます』と言わなきゃしょうがない。どうやって運命って決まってるんだろうかと。あの瞬間に支えられています」と振り返った。

いまもトレーニングを継続しているという。打って投げて走る。生活のなかに野球が密接にある。「47になったんですけど、面白いことに球が速くなったんです。投手の練習もしています。体の使い方を変えたら劇的に球が速くなった」と明かした。

野球を愛する学生にも、温かいまなざしを向けている。19年12月にはプロ野球経験者が高校、大学の学生を指導するための学生野球資格回復研修を受け、今年2月に資格回復を認められていた。「最近、高校野球を見るんです。野球をやっているんですよ。普段、メジャーリーグをよく見る。メジャーリーグはいま、コンテストをやっているんですよ。どこまで飛ばすか。野球とは言えない。どうやって点を取るか。そういうふうにはとても見えない。高校野球には、それが詰まっている。面白い。頭を使います。ファンは野球を見たがっている。コンテストを見たいわけじゃない。そういう意味で、高校野球はめちゃくちゃ面白いです。プロに入る前段階の選手の野球にすごく興味がある」と言及した。

近いうちに学生への指導現場を見ることができるかと問われると「見られると思います。まず見たい。だから1日参加とかはない。何日か見ていたい。それでできることがあればという、そんなスタンスです」と話した。「いま、僕は動けるので。一緒にできる。彼らと一緒に走ったり、投げたり。そういうアプローチは面白いなって。きっと僕にしかできない。野球人として何か恩返しできたらいい」とビジョンを語った。

新型コロナウイルスの感染拡大にともなって3月後半に米国から帰国。「春からいました。春夏秋…。いま冬に差し掛かろうとしていますけど、まさかここまで日本に滞在すると思っていなかった。日本の夏がやたら暑いとずっと聞いていた。それを19年経験していなかった。熱中症ってどんな感じなのかな。どうやったら熱中症になるのかなと。結構、むちゃして、炎天下で走り回ったりしたんです。でもならない」。8月中旬の話だ。「(夕食後)皇居に走りに行ったんです。夜中の11時半。ほとんど人はいない。しばらくしてものすごい量の汗が出て。指が固まりだして脱水症状なんです。何とかホテルまでたどり着いて。翌日、野球の練習を軽めに始めた。もう体が動かなくなってしまった。ハンドソープ、1プッシュもできない」と日本の酷暑体験を明かした。

この日はプロでの駆け出し時代を過ごした神戸でのひとときだった。91年ドラフト4位でオリックスに入団。阪神・淡路大震災が発生した95年にはチームを引っ張り、リーグ優勝に導いた。01年から大リーグ・マリナーズでプレーし、大リーグ通算3089安打など日米通算4367安打を放った不世出の野球人だ。04年に大リーグ新記録の262安打を放つなど、メジャー史上初の10年連続200安打も達成。スーパースターが現在を語った。