【アナハイム(米カリフォルニア州)17日(日本時間18日)=斎藤庸裕】偉業達成へ突き進む。エンゼルス大谷翔平投手(27)の次回登板が19日(同20日)のアスレチックス戦に決まった。右腕の張りの影響でこの日の登板を回避し、今後は未定となっていたが、試合前にブルペン入り。状態を考慮した上で登板可能と判断した。順調にいけば残り登板数は3度。ベーブ・ルース以来103年ぶりの「2ケタ勝利&2ケタ本塁打」へ再び挑戦する。

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心配から一転、希望に変わった。偉業へ向かう大谷にゴーサインが出た。アスレチックス戦の試合前、ルーティンの壁当てを入念に行い、キャッチボールを終えると、ブルペンへ向かった。スライダーやカットボールなど変化球を交えて32球。時折、力強い直球を投じ、張りを感じていた右腕の状態も問題ない様子だった。投球練習後、投手コーチらと話し合い、登板可能と判断した。

前日の時点で、次回登板は白紙だった。今季9勝2敗で、ベーブ・ルース以来の「2ケタ勝利&2ケタ本塁打」達成は目前。マドン監督は「10勝したい気持ちもあると思う」と察しながらも「我々としては、そのために投げさせることはできない」と数字より状態が優先としていた。だが、この日のブルペン投球の状態を伝え聞き「非常に良かった。(100%の状態で投球する)フルゴリラのブルペンで、ワイズ(投手コーチ)も満足していたし、調整し直した」と、19日に登板予定だった右腕バリアに代え、大谷を組み込んだ。

順調にいけば、今季は残り3試合に登板が可能だ。3度とも日曜日。10月3日はシーズン最終戦、敵地でのマリナーズ戦だ。メジャー1年目からなじみのある「サンデー・ショウヘイ」の復活&フィニッシュ。投打の二刀流で完走した歴史的シーズンの締めくくりには申し分ない。

「3番DH」で出場したこの日のアスレチックス戦では4打数1安打。第1打席で右前打を放ったが、その後は見せ場がなかった。本塁打数でブルージェイズのゲレロに2本差とされ、タイトル獲得へ正念場。だが、大谷には投手としての大記録も待っている。準備は万全。偉業達成へ、さえぎるものはない。