本番じゃなくてよかった~。阪神が、1週間後の開幕に向けたベストオーダーでオリックスに3安打完封負け。和田豊監督(52)が「元気がない」と危機感を募らせる中、安心材料は西岡剛内野手(30)だった。7回、チャンスを広げる右前打を放ち、復調の兆し。オープン戦に限れば14打席ぶりの快音だ。15年猛虎打線のカギを握る3番に、爆発の予感が漂ってきた。

 3番の重責を担う。見逃すわけにはいかない。西岡はディクソンの甘く入った内寄り直球を引っ張った。7回1死一塁、フルカウント。一塁走者上本がスタートを切った直後、大きな空間ができた一、二塁間に痛烈なゴロを転がした。簡単にチャンスを一、三塁に拡大。「3番西岡」の底力が発揮された瞬間だった。

 西岡 いい感じだったと思います。やれることをしっかりやって、打席にしっかり立って、その中でいい結果で出ていくように。

 前日19日中日戦の試合後、和田監督は開幕オーダーが決まったことを事実上、認めた。最大の目玉である1番鳥谷に2番上本までは大方の予想通り。福留、マートンも試した3番打者には、前日の時点でオープン戦打率0割9分1厘の西岡を指名する覚悟を決めた。

 右肘手術明け、かつ今月中旬にもオープン戦を欠場している状態。それでもV奪回に欠かせない男だからこそ、首脳陣はその潜在能力を信じてやまない。西岡自身、中日戦後に「3番で使ってもらっている以上、結果を出したい。出すことで強いチームになっていく」と巻き返しを宣言したところだった。

 走者を一塁に置いた場面ではお手本通り、右方向に転がして走者を三塁に進めた。さらに9回の第4打席では白仁田の低めスローカーブにグッとこらえ、強いスイングで右翼後方に飛球を放った。三塁守備でも1回、間一髪で一塁に力強い送球を披露し、アウトをもぎ取った。上昇気流に乗りつつあるようだ。

 指揮官も復調を感じ取り「打席に立って作っていくしかないんでね。あとはスイングも悪くないし、とらえているんだけど、ヒットにならないというところでの。ここからはキレだと思うから」と最後の追い込みに期待をかけた。

 開幕まであと1週間。和田監督が「ちょっと今週に入って元気がない。各個人の状態を上げていかないと」と打線全体に危機感をにじませる中、背番号7は右肩上がりの気配が漂う。新打線が機能するか否かは、3番西岡の好不調に懸かっていると表現しても過言ではない。さあ、オープン戦は残り2試合。本番が刻一刻と迫る中、西岡剛の本領発揮を今、誰もが待ちわびている。【佐井陽介】