不安を一掃した。日本ハム大谷翔平投手(20)が、巨人戦で開幕前最後のマウンドに上がり、今季最速の157キロをマーク。3回1安打無失点と好投した。3日巨人戦、11日DeNA戦と内容が悪く、17日には発熱で練習を休んだ。登板予定が変更になるなど不安要素が多かったが、投球フォームを好調時のものに修正。初の開幕投手を務める27日楽天戦(札幌ドーム)に弾みをつけた。
どよめく場内とは対照的に、大谷は涼しい顔をしていた。3回、先頭・相川への2球目。147キロ直球が、頭部付近を通過した。必死によける打者に、目もくれない。「右(打者)のインコースにしっかりと投げられた。見せておかないとダメ。そこが今年はどんどん投げたいポイントだった」。強気に胸元をえぐる、新たな投球スタイル。3回1安打無失点。開幕へ向けて、霧は晴れた。
3日巨人戦(4回4失点)、11日DeNA戦(4回5失点)と、不本意な投球が続いた。17日朝には、目を覚ますと38度台の熱があった。練習を休みオープン戦の登板予定も二転三転。「体調を崩して最初の実戦だったし、(開幕前)ラストの登板だった。0点に抑えられてよかった」。ホッとしたのは当然だった。
2試合続けての乱調は進化への過程だった。「去年のフォームに戻そうと思えばできる。でもステップアップするために違うアプローチも必要。最初からうまくいくものじゃない」。重心の位置などを微調整していた。結果につながらず、投手コーチとも相談。昨年をベースにした「基本の投球フォーム」に戻し、この日の登板に臨んでいた。
言葉通り、戻すことは簡単にやってのけた。1回、亀井の4球目まで6球連続ストライクと制球が安定。今季最速157キロもマークした。「自分の中では80%」と振り返ったが、38球中30球がストレートと球種を絞った中、直球狙いの巨人打線をほぼ完璧に封じた。
栗山監督も「球の力というより間がよくなった」と、胸をなで下ろした。楽天との開幕戦は5日後。「何とか勝てるように。それが一番。後先考えずにいきたい。心境の変化はないです。当日は(平常心でいるのは)無理だと思うけど、そのときにどうしたらいいのか考えればいい」。開幕を待ち切れないファンは、すでに平静ではいられない。【本間翼】



