日本ハム斎藤佑樹投手(26)が、大逆転で開幕ローテーション入り濃厚となった。オープン戦最終戦の22日ヤクルト戦で5回から2番手で登板。2回を打者6人、わずか16球で完全に締め、最速145キロと快投した。先発枠を9人で争っていたが、サバイバルレースに競り勝った。開幕2カード目の3連戦の3戦目、4月2日ロッテ戦(QVCマリン)で先発を任されることになりそうだ。

 春が来た。息を潜めていた斎藤が、大まくりを決めた。早実、早大時代に親しんだ神宮。温かい声が降り注いだ。「声援はうれしかったですね」。懐かしのマウンドへ、足を踏み入れる直前。帽子のひさしに右手をやり、うつむいた。感傷的に数秒、とどまった。あいさつのような儀式。疑心暗鬼の中で覚悟を決めた。「ほか(の投手)もいいですから、ローテーションはどうなるか分からない」。魂の16球で狭き門を突破した。2年連続で開幕ローテーションの1枠をラストチャンスで鮮やかに奪った。

 インパクト抜群だった。5回。代打森岡を二ゴロに仕留め、迎えた強力な上位打線の試練をクリアした。右巧打者の山田をこの日、最速145キロ。完璧な外角低めで1-2と追い込み、カットボールで誘って遊飛。6回は1死から、2安打していた好調の雄平が見せ場。内角高め直球でバットを折り一ゴロに斬った。2回、打者6人を計16球。ツーシームを含め、直球系主体の自在の内容だった。「今日みたいな投球ができれば、勝ちがついてくる」。手応えと自信が、満ちた。

 ダークホース的存在から、ひっくり返した。扱いは1軍だったが、登板がなかった3月3日からの巨人2連戦後に2軍へ合流。安定した実戦機会を与えるための措置だった。教育リーグ、イースタンで2試合登板して計10回を4失点(自責点1)。開幕投手の大谷ら軸になる投手の調整の場に充てた表舞台から姿を消していたが、静かに好アピールしていた。2軍首脳陣ら周囲から、高く評価する声が上がっていた。

 自力でつかんだオープン戦最終戦のチャンスをモノにした。キャンプ中からの実戦で計6試合、計21回で自責点5で防御率2・14と、信頼を積み上げた。栗山監督は「まあ、まあ。『斎藤佑樹らしさ』が出ていた」と独特な表現で評価。開幕ローテは同レベルの右腕が多く、混迷を極めた。「どういう流れがチームにとってプラスになるか」。最終的に、斎藤を組み込む方向になりそうだ。明言は避けたが、4月2日ロッテ戦に投入される可能性が高い。再躍動を期す5年目。佑ちゃんが、まず第1関門を突破した。【高山通史】

 ◆日本ハム開幕ローテーション予想 27日からの楽天3連戦は大谷-武田勝-浦野の順が確実。2カード目の31日からのロッテ戦はメンドーサ-吉川-斎藤となる見込み。4月3日からのオリックス3連戦(京セラドーム大阪)の初戦に上沢か。2戦目以降に中7日以上の登板間隔で開幕投手の大谷を起用することになり、まずは7人でスタートする変則編成が有力。