まさに「昇竜」-。谷繁中日が、ついに初の単独首位だ。広島3回戦は延長12回にもつれ込んだ死闘。最後は小笠原道大内野手(41)がサヨナラ打。チームは開幕カード3連敗を喫したが、5年ぶり6連勝で一気に盛り返しての単独首位。昨年までサードユニホーム着用日は2年間で4勝10敗1分けだったが、ネーミングをあらためた「昇竜ユニ」は何とも縁起いいゾ。
白星をつないだのはベテランのバットだった。4-4の延長12回。1死満塁。小笠原が、広島一岡の外角低めの直球を左前に落とした。サヨナラだ。「いや、もう打つしかない。みんながつくってくれたチャンスなんで」。これで今季はすべて代打で3打数3安打、2打点。代打成功率10割の仕事人が右手を突き上げてガッツポーズ。一塁ベース付近で後輩たちの手荒い祝福を受けた。
「気持ちです。うん、気持ち。みんなの気持ちを背負ってやってるから」。小笠原が、後輩たちの姿を思い浮かべて目を細めた。投手陣も7投手が奮闘。チーム一体となって奪った勝利だった。
4時間39分のロングゲームを終えた谷繁兼任監督は、なぜか苦笑いだ。「今日は何か不思議な勝ち。最後はこういう形で終わったけど、うーんっていう試合運びだったので」。2点リードを逆転された5回はエルナンデス、ルナが相次いで適時失策。一時は完全に流れを渡したはずが、最後には今季2度目となる劇的なサヨナラ勝ち。その流れを指揮官は「不思議な勝ち」と表現した。
まだ開幕9試合とはいえ、5年ぶりの6連勝で単独首位。谷繁兼任監督にとっても、6連勝、単独首位はいずれも指揮官2年目で初の響き。「えっ!? (リーグ優勝した)11年は6連勝してないの? マジで? そうですか」と思わずニンマリ。開幕前の下馬評は軒並み低評価で、阪神との開幕カードも3連敗とつまずいた。それが、そこからは本拠地に帰って連勝街道。これほど痛快なことはない。
3色を組み合わせた戦闘服がまた、まぶしい。昨季まで燃竜(もえドラ)から昇竜(しょうりゅう)にサードユニホームを変更。昨年までサードユニ着用日は4勝10敗1分けだったが、この日は今季最初の使用日で劇勝。今季最多の3万7617人を集客し、指揮官は「選手の名前がコールされる時の声援は震えるものがあった」と感謝した。明日7日からは敵地神宮でヤクルト3連戦だが、この勢いで昇り続けてみせる。【桝井聡】
▼中日の6連勝は、10年9月8日阪神戦~同15日広島戦以来(1分け挟む)。7連勝に伸びれば、同年8月12日横浜戦~同19日巨人戦まで7連勝して以来となる。同年、チームは阪神、巨人との接戦を制しリーグ優勝を果たしている。また、中日の単独首位は12年6月30日以来。
▼41歳5カ月の小笠原が自身4本目のサヨナラ安打を放った。40歳以上でサヨナラ安打を記録したのは13年8月20日中村(DeNA=40歳0カ月)以来で、セ・リーグでは13年5月17日山崎(中日)44歳6カ月、75年6月14日アルトマン(阪神)42歳2カ月、75年4月27日アルトマン42歳1カ月に次いで4番目の年長サヨナラ安打となった。



