やっと、やっと、決定打が出た。楽天銀次内野手(27)が9回2死満塁から自身初のサヨナラ打を放ち、引き分け2試合をはさんで4連勝を決めた。この日は「銀次デー」と銘打たれたイベント日。来場者全員が応援用のボードを掲げるなど銀次一色の中、重圧をはねのけた。チームとしてもここ6試合で8度目の2死満塁の場面でようやく出た適時打。好機をモノにし、借金を完済した。

 ちょっぴり出来すぎた結末に、銀次の顔がほころんだ。お立ち台に上がると「これ以上のことはないと思います! 初めて自分がカッコいいと思いました」と照れくさそうに話した。9回2死満塁。オリックス佐藤達の初球。真ん中高め142キロの直球をやや強引に引っ張った。「思い切り振りぬこうと。打った瞬間にヒットになるなと思った」と感触抜群のライナーは右翼手の前で跳ねた。

 試合前から主役の座は決まっていた。「銀次デー」と題され、長男虎次郎君から取った虎柄の応援ボードを球場が埋め尽くした。1回、2死満塁の好機で中飛に倒れた。熱烈な声援の影響か、フォームに力みがあった。しかし、最後に回ってきたチャンスで、重圧をはね返した。「打てないのにチャンスをたくさん与えてくれた監督に感謝したい」と笑顔がはじけた。

 苦しんだ末の4連勝だった。引き分けを含めた6試合で延長戦は3度。本拠地5試合で2死満塁を7回作ったが、適時打はなし。チームは決定打不足に苦しんだ。田代打撃コーチも「投手陣に申し訳ない。勝ちをつけられないことが多かった」と振り返るほど、あと1本が遠かった。

 打てずとも投手がリズムを作った。中継ぎ陣は6試合で無失点。金刃、青山、福山、クルーズ、松井裕らが踏ん張り続けた。高村投手コーチも「点を取る、取られるはお互いさま。投手陣は流れを作ろうと0に抑えてくれた。いい流れを作れた」と目を細めた。この日も青山が8回1死から登板し、4奪三振。攻撃に弾みをつけた。

 大久保監督は言う。「金刃が流れを切って、青山がピシャッと行った。攻撃で『こっちがいける!』という状態を作ってくれた。銀次は気持ちが強い。だから結果を出す」と。投打の「一致団結」力があるからこそ、つかんだ勝利。勝率を五分に戻し、銀次は「まだまだ始まったばかり。もっともっと活躍していく」と意気込んだ。【島根純】