聖地で輝いたのは虎戦士だった。日本ハム大谷のプロ初の「リアル二刀流」甲子園登場だったが、投げては先発ランディ・メッセンジャー投手(33)が大谷から3奪三振など8回無失点の力投。打線では昇格即スタメン出場の柴田講平外野手(28)が、2安打で大谷攻略の起点となった。やっぱり、甲子園には虎ナインの笑顔が似合う。

 阪神和田監督の鮮やかな采配が「打倒大谷」のスパイスになった。苦戦必至の剛腕相手にズバッとタクトを振るった。2番センター柴田が、1軍昇格即今季初スタメンの抜てきに燃えた。

 適材適所の起用だろう。柴田にはポリシーがある。「真っすぐに負けたくないんですよね。負けん気が出るんです」。だから、150キロ超の快速球に向かっていく。試合前から覚悟を固めた。「2ストライクまでは真っすぐ」。1回は初球の外角直球を左前へ。これで勢いに乗る。両チーム無得点の4回。カウント1-1から低めの150キロ速球を巧みなバットさばきで中前に運んだ。この日初めて先頭打者が出塁し、貴重な好機を演出。上本の適時打で先制のホームを踏んだ。

 初対決の大谷から2安打をマークし、刺客になりきった。和田監督は「本当に対大谷君でね。今日は突破口として、いい仕事をしてくれた。また、使いたいと思わせてくれる活躍」とたたえた。開幕1軍メンバーだが、2軍暮らしが長く続いた。それでも、腐らず、志を高く持った。掛布DCには「継続だぞ!」と声を掛けられた。2軍では打率3割6分7厘と好調だった。我慢強く待ち続け、大舞台で大仕事を果たした。

 自宅での日課は、大リーグ中継の録画だ。年明けの自主トレで師事するジャイアンツ青木の打撃をじっくり見る。「1打席ごとに打ち方が違う。すり足にしたりね…。正解はありませんよね」。だから、柴田も変わることを恐れない。いまは右足を普段よりも高く上げて打っている。「体のふらつきがないんです。カチッと止まれます」。たゆまぬ探求心が詰まった快打連発だった。【酒井俊作】