かわいいベビーよ、奥さんよ、パパは元気に戦ってくるぞ~。主砲ゴメスが甲子園の夜空に高々と、首位攻防戦へ出陣の1発を放った。5回にリードを2点に広げる12号ソロ。生まれたばかりの次女とまだ入院している夫人もきっと喜ぶ豪快祝砲。まってろ、東京ドームの外野席よ。
記念の日から3日が経過した。阪神マウロ・ゴメス内野手(30)の打球は遅れを取り戻すように、夜空に高々と上がった。1点リードの5回1死。愛する妻と2人の子どもを支えるパパは仕事モードだ。1球に集中していた。
「甘いゾーンに来たスライダーを、自分のスイングで捉えられたね。いいスイングができたよ」
左翼スタンド中段へ向かったアーチを、ゴメスも、ファンも見つめていた。現在も入院している産後の愛妻も、同じだったかもしれない。文句なしの12号ソロ。3回には二塁走者として鳥谷の右飛で判断を誤りタッチアップできなかった。それも帳消しにし、延長11回には1死一、三塁でサヨナラにつながる四球を選んだ。6日に兵庫・尼崎市内の病院で生まれた第2子の次女アイミーちゃん。直後の2試合はノーアーチも、東京遠征出発前に堂々と祝砲を届けた。
「打てて良かったよ。赤ちゃんはすごく元気だよ!」
次女が生まれる前日、5日のことだ。横浜スタジアムでのDeNA戦。ゴメスは、ひそかにワクワクを口にしていた。「明日、生まれるんだよ! 女の子! それが楽しみなんだ!」。室内練習場での打撃練習を終えた後、娘のことはずっと頭をよぎっていた。
愛妻は帝王切開での出産が決まっており、翌日に家族が増えることが分かっていた。その試合で披露したのは前祝いの11号ソロ。ベンチ前では「ベイビーに贈る本塁打だね」と仲間から祝福された。待ちわびたわが子の誕生が力にならないわけがない。今の4番は強く、たくましい。
これまで遠征に同行していた家族は、愛妻のおなかが膨らみ始めると関西でのお留守番になった。今日10日からは東京ドームでの首位巨人3連戦。球宴前の大一番になる。今季3戦3敗の天敵ポレダも、ゴメスにとっては9打数3安打、打率3割3分3厘と打ち込む相手だ。どでかい誕生祝いを関西に残し、パパは敵地東京でも暴れ回る。【松本航】
▼阪神ゴメスは東京ドームで通算3割6厘(62打数19安打)の数字を残す。とりわけ昨季は打率3割4分1厘(44打数15安打)の高打率だった。4本塁打、12打点はいずれも甲子園を除けば昨季の球場別最高。今季は5試合で打率こそ2割2分2厘(18打数4安打)だが、ノーヒットはわずか1試合。コンスタントに安打を連ねている。



