こんなこと繰り返してちゃ、お先真っクロダ!? 阪神は広島黒田の絶妙な投球に封じられ、8回2安打。9回も中崎に3人で片付けられ、三塁も踏めずリーグワーストとなる今季14度目の完封負けを喫した。黒田キラーの今成、伊藤隼も不発。マートン、ゴメスも沈黙して甲子園に秋風が吹いた。アカン、アカン、もうこれっきりにしてや!

 鳥谷はファウルした後、ツーシームの曲がり幅に目を丸くした。今成は内角ボールゾーンからホームベースをかすめてくるツーシーム、通称「フロントドア」に反応できず、3球三振で天を仰いだ。マートンは外角低めいっぱいのスライダーに手が出ず、主審にゾーンを確認するしかなかった。最後まで付け入るスキを見つけられず、難敵黒田との対決は完敗に終わった。

 和田監督 コースも高さもきっちり来ていた。打者に聞くと、相当ボールが動いていたみたい。ちょっと芯を外されているような打撃になってしまった。

 過去4度の対戦では0勝2敗と黒星をつけられずも、防御率3・96と手も足も出なかったわけではない。黒田キラーがズラリ並んだスタメンには希望があった。試合前時点での対戦成績は2番上本が9打数4安打、6番今成は5打数で1発込みの2安打、7番伊藤隼は3打数で1発を含む3安打。鳥谷、マートンら主力勢も相性は悪くなかったが…。関川打撃コーチは試合後「機能しなかったね」と認めざるを得なかった。

 8イニングを2安打1四球の無得点では勝てない。2回は先頭4番福留が左翼線二塁打を放ったが、後続3人が凡退。3回2死から1番鳥谷が中前打を記録した後はノーヒットに終わった。序盤に抜群の制球力を見せつけられると、中盤以降は早いカウントから打たされた。5回以降の4イニングで44球しか投げさせられず、5回1死で伊藤隼が四球を選んでからは走者すら出せなかった。

 5番ゴメスは3打数無安打に終わり、「丁寧に投げていた。失投が少なかった」と静かに振り返った。「フロントドア」の前に見逃し三振2つを喫した今成は「相当いいところに決まっていたけど、そういうボールをファウルにして、打てる球を待たないといけなかった」と反省。4番福留は悔しさをにじませ、無言のまま足早にクラブハウスへ消えた。

 まだ広島戦は今季6ゲーム残っており、黒田と再戦する可能性も十分ある。リベンジに向け、打開策をひねり出す作業が急務となった。【佐井陽介】

 ◆フロントドア 打者の内角を外れたコースからストライクゾーンに入ってくる球。右投手の左打者に対する「内角シュート」。外角ボールゾーンからストライクゾーンに入る球はバックドアと呼ぶ。

 ▼阪神が今季14度目のシャットアウト負けを喫し、セ・リーグ最多となった。広島戦と巨人戦が4度、中日戦が3度で、ほかにヤクルト、オリックス、ソフトバンクが1度ずつ。1人の投手に投げ切られたのは、巨人高木勇と菅野、中日大野、ソフトバンク大隣の4度。