日本ハムが連敗を5で止め、今季の勝ち越しを決めた。オリックス22回戦は、連敗中は湿っていた打線のつながりを取り戻した。12安打8得点の猛攻の中で、スタメン起用されたルーキー浅間大基外野手(19)が、2安打と勝利に貢献した。1軍に再昇格したばかりの若手の奮闘は、クライマックスシリーズ(CS)に向けて好材料となった。
真っ黒に日焼けした19歳のルーキーが、ほえた。最終9回。1点差に迫られ、2死満塁で打者は糸井。初球をとらえた打球は左翼後方を襲ったが、浅間が背走。がっちりウイニングボールを捕球すると「ヨッシャー!」と、笑みがはじけた。6月27日西武戦以来のスタメン。「やってやろうという気持ちで準備していたので、うれしかった」と、2安打と躍動。チームの連敗脱出、2年連続シーズン勝ち越しを決める貴重なスパイスとなった。
沈滞ムードを吹き飛ばした。5回1死一塁。外角高めのボールに食らいつく。鋭い打球が左中間を破る二塁打。塁上で思わず、小さく右拳をガッツポーズ。1死二、三塁と好機を拡大して続く陽岱鋼の2点適時打につなげた。直前に2点を返され、流れていた不穏な空気も一掃する気迫が、先輩にも火を付けた。打線は2回から5回まで連続得点。田中と近藤が2打席連続適時打を放つなど12安打8得点。横浜高の先輩でもある近藤は「(浅間の活躍が)刺激になりました」と、後輩のプレーぶりが活力源となった。
「みっちり練習できるので、ワクワクしています」。7月2日オリックス戦後の浅間の言葉だ。この日は出番はなく、試合後に2軍での再調整が決まった。故障から復帰する中堅のレギュラー、陽岱鋼と入れ替わる形だった。実戦経験を積ませる育成方針もあり1軍の舞台を離れたが、前向きで強気だった。小田2軍打撃コーチは「自分で考えて練習が出来る。1軍から戻ってきても、その姿勢は変わらなかった」と、2軍での練習姿勢に目を見張る。準備を尽くしてきた結果が早速、1軍で花開いた。
この日の観衆は札幌ドームの今季ワースト1万3409人。雨天中止となった試合の振り替え試合ではあったが、ソフトバンクの独走を許す展開に客足も遠のく中でCSへ向けて起爆剤となりうる戦力が台頭した。栗山監督は「こういう時は必死さが大事。ファームで何をやってきたのかを示す。そういうのを、こちらは期待している。(試合で)使わそうと思わせてくれた」と、賛辞を贈った。浅間は「CSに出るには、今結果を残さなきゃいけない」と、目の前にぶら下がるチャンスに燃えている。イキのいい若武者が、沈滞しかけたチームを再活性させるキーマンになる。【木下大輔】



