2安打で勝った! 広島が1点差を制し、引き分けを挟んで5連勝をマークした。最大8あった借金をこれで完済した。緒方孝市監督(46)が求めてきた野球が徹底され、まいた種も花を咲かせつつある。まだまだ止まるわけにはいかない。残り試合も一戦必勝で臨む。
わずか2安打1得点でも勝った。緒方監督は勝利のハイタッチの列で少しだけ笑顔を見せた。巨人坂本の失策でもらった1点。接戦を勝ちきれずに沈んだ序盤戦を振り返れば、チームが残した成長のわだちははっきりと残っている。信じて送り出す。起用して疑わない。3月31日以来の勝率5割復帰。それでいて普段通り。言葉に変化はなかった。
緒方監督 まあ5割と言ってもね。まだ上から4番目のところにいる。残り16試合。もうそれしかない。いつも言っている通り、1戦1戦。とにかく一戦必勝で戦っていくだけです。
何度も落とした1点差ゲームをものにした。全力疾走とカバリングが徹底された。相手の心にわずかに生じたであろうスキを見逃さなかった。勝負と位置づけていた8月1日以降、1点差ゲームは7勝3敗。これで今季通算を22勝26敗とした。5月24日の時点で昨季を上回る18敗目を喫していチームは息を吹き返した。打線はあと1本に食らいつき、投手陣は1点を防ぎに体を張っている。
最後は、これまでに2度にわたって試合直後に監督室に呼び出した中崎が締め24セーブ目。汗を拭かせて横に座らせ、励ましてきた。一時は5点台だった防御率は2・73まで下がっている。「俺はザキに託したんだ」。信念の起用が中崎を動かし、種は実となった。今や惜しみなく投入され、ブーイングまみれだった右腕に、ファンは最後を託すようになった。
緒方監督 ザキも先週5連投があって、体もしんどいと思う。でも日に日にたくましくなって、クローザーとして結果を出してくれている。投手陣に尽きる。
野手もグリーンライト(ノーサインで盗塁)にあたふたする場面はなくなり、ランエンドヒットの成功率も急上昇。何より選手から放たれる勝利への執念が、緒方野球の真骨頂だ。引き分けを挟んで5連勝。まだまだ止まるわけにはいかない。18日からは12連戦も待っている。「あっという間に終わるでしょう」。残り16試合。時間が、ともすれば何もなく過ぎゆくことは痛いほど分かっている。一戦必勝でかぶりつく。【池本泰尚】



