CSまで届け、特大弾! ロッテのアルフレド・デスパイネ外野手(29)が推定飛距離140メートル弾で勝利をもたらした。1-0の1回2死一、二塁でソフトバンク・ウルフから17号3ラン。QVCマリン左中間スタンド後方壁面の看板を直撃した。守護神西野の離脱という危機的状況で、心強い1発だった。チームは4連勝で、試合のなかった3位西武に0・5ゲーム差と迫った。

 滞空時間は5秒半を超えた。1回、クルーズの二塁打で1点先制し、なお2死一、二塁。デスパイネは、ソフトバンク・ウルフのツーシームを振り切った。高く、高く、上がった打球はなかなか落ちてこなかった。左中間スタンド後方壁面の京葉銀行の看板を直撃した。推定飛距離140メートル。「海まで行くんじゃないかと思ったよ」とジョークもさえた。さすがに東京湾まで届くことはなかったが、文句なしの当たりだった。

 力みが抜けた、けれん味のないスイングだった。本人のコメントが示している。本塁打直後「本当に会心の当たりという感じで、打った感触が全くなかったよ」と言った。感触がないとは? 試合後に言い足した。「打者なら分かると思う。本当に会心の当たりなら、手に何も残らないんだ。まあ、ホームランの時は、だいたいそうなんだけどね」。来日2年目の通算29号。ド芯を食った最高の“感触”だった。

 大砲が3週間も1発がなかった。4番を外され、ベンチスタートもあった。試合前のフリー打撃では、右に、左に、放り込む。だが、試合では力みまくり凡打が続いた。伊東監督に「練習で満足してるんじゃないか」とボヤかれたほど。そう言われても「力の抜き方が分からないんだよ」と苦笑いするしかなかった。

 ただ、控えでも「自分のことはいい。チャンスが来たら活躍する」と腐らなかった。それが、西野離脱の日に勝利を呼び込む特大弾につながった。守護神がいない中、伊東監督が「打線が点を取って楽な展開で後ろにつなぐのが理想」と期待していた通りの働きだ。その指揮官に「完璧だった」と褒められると「CSに行きたい」と力強く言った。大放物線の先に、Aクラスを捉えた。【古川真弥】