意地の勝利を-。リーグ優勝が完全消滅した阪神は今日28日、本拠地甲子園で巨人を迎える。Vに続き、2位も消滅の危機。4位広島には1・5ゲーム差に迫られ、CS出場も確定していない。この日の広島戦では初回に満身創痍(そうい)の福留孝介外野手(38)が、7回には関本賢太郎内野手(37)が適時打を放ったように、今季最後の伝統の一戦で聖地を沸かせてくれ。
25イニング連続無得点。とことん0を刻まれてきたジョンソンに、38歳福留が真っ向から立ち向かった。理想通りの先制劇に、赤色に染まったスタンドはざわついていた。四球、犠打で作られた1回1死二塁。カウント1-1からのファーストスイングだった。148キロの外角直球に鋭いスイングで応える。ライナーは左翼前の芝生に弾んだ。
プレーボールからわずか12球。相手の出ばなをくじいた。生還した鳥谷を迎え入れるベンチは、活気を増す。その様子を見ながら福留は左手で1度だけ、山脇一塁コーチの手をたたいた。表情は変えない。感情を表に出すことなく、主軸としての仕事を全うした。
シーズン139試合目。満身創痍(そうい)だ。続く3回に二ゴロを打った際には、一塁へ走るスピードが上がらなかった。1点差に迫った7回1死一、二塁でも同様に全力で走れない。三ゴロを堂林に捕球されると、ベースを踏んで一塁へ。併殺打でチャンスはしぼんだ。試合後は表情険しく、無言を貫いた。代わりに平田ヘッドコーチが「無理して頑張ってくれている。(今後は)明日の状態を見て判断する。本人は『行く』と言うと思うよ」と現状を語った。
常に全力疾走してきた男が、投げやりになるはずがない。連戦続きの疲労からか、右太ももに肉離れに近い症状がみられるという。今日28日も患部に問題がなければ、スタメンに名を連ねることになるだろう。リーグ優勝の完全消滅に、4位広島と1・5ゲーム差の危機。懸命に体を張る姿が猛虎の希望になっている。
37歳も力強い。7回1死一、二塁で代打起用された関本だ。大瀬良の149キロを左前に運ぶ適時打で、2回以降続いていた0行進を止めた。右背筋痛から復帰し、今月8日に1軍昇格してからは10打数6安打3打点。打率6割という驚異的な代打成績に、ベテランならではの味が染みる。
試合後の通路で関本は「負けたら一緒やから」と一言だけはき出した。甲子園に戻ると今季最後の伝統の一戦が待つ。負ければ2位消滅の危機でもある。勝利への思いが2人を突き動かすように、虎の意地が見たい。
▼阪神は今日28日の巨人戦に△または●で、今季の2位も消滅し、CSファーストステージの甲子園での開催権を逃す。仮に△のとき、残り3試合に全勝しても71勝69敗3分けで勝率5割7厘。巨人は残る3試合に全敗しても72勝69敗2分けで5割1分1厘となり、阪神を上回るため。



