最後は延長10回、サヨナラ押し出し四球で敗れ、阪神が崖っぷちに立たされた。藤浪晋太郎投手(21)が6回2失点で降板。昨季CSファイナルステージでは東京ドームの初戦で勝ち投手になった男をもってしても、勝利に導けなかった。
「あれはいらなかったです」と振り返った失点はミスが響いた。1点ビハインドの6回1死一塁、痛恨の悪送球だ。亀井に7球目を投じた直後、一塁走者長野を警戒して一塁にクイックスロー。このけん制球が引っかかり、悪送球が一塁側ファウルゾーンを転々とする間に三塁まで進まれた。
1死三塁。直球を粘られた亀井への12球目、最後は内角カットボールを投手強襲適時打とされた。懸命に差し出したグラブがゴロをはじき、逆をつかれた遊撃鳥谷の左をコロコロと抜ける。「1球(ボール球で)見せるか、決めにいくか、というところ。粘られていやでもなかったし、ストレートで決めたいというこだわりもなかったんですが…」と表情をゆがませた。
4回までは2安打無失点。5回1死二塁からは投手マイコラスに痛打されていた。2球目、アウトロー狙いの150キロが浮き、右中間最深部まで先制二塁打を運ばれた。「そうは言いながらも2点だし、ビッグゲームでよく試合を作った」。和田監督はそうねぎらったが、21歳はもう立派な大黒柱。負けた以上、試合を作っただけで納得できるわけがない。今季レギュラーシーズン4試合で0勝4敗と苦しんだ東京ドームでまたも勝てず、自責の念にさいなまれた。
肩を落とすのは、まだ早い。今日11日以降は再び準備をスタートする。チームが連勝してファーストステージを突破すれば、中4日で15日のファイナルステージ2戦目に向かう可能性もある。神宮での次回登板を信じて、運命の一戦を見守る。【佐井陽介】



