ヤクルトが崖っぷちに追い込まれた。1勝2敗で迎えた第4戦は、キーマンの山田哲人内野手(23)が大ブレーキになった。好機で見逃し三振に倒れるなど、4打数無安打2三振に終わった。前日27日の第3戦で3打席連続の本塁打を放ったが、相手投手陣に完全に封じ込められた。打線は中盤に2点差に迫る粘りを見せるも及ばず、王手をかけられた。14年ぶりの日本一へ、粘りを見せたい。
どんよりとした空気が、神宮球場に流れた。2点を追う9回2死一、二塁。1発出れば、サヨナラの場面。ファンの期待も高まる中、雄平は空振り三振に倒れた。落胆の声に包まれながら、真中監督は足早に隣接するクラブハウスに向かった。1勝2敗で迎えた第4戦。絶対に落とせない試合に敗れた。険しい表情のまま、「勝たないと意味がない。(摂津に対して)いけそうでいけなかった」と唇をかんだ。
キーマンの山田が、エース摂津の前に屈した。3回は内角低め141キロ直球、5回は、外角低め139キロ直球を見逃し。「いろんな球種があって、コントロールもいいから気をつけていたけど、いいコースに手が出なかった」と、2打席連続の三振に終わった。得点機でもバットは空を切った。5点を追う6回。無死満塁から3点を返した。追い上げムードの中、2死三塁で打席は回ってきたが、三ゴロに終わった。
前夜の輝きを失っていた。第3戦で3打席連続本塁打と大暴れ。史上初の快挙を打ち立て、チームのシリーズ初勝利に大きく貢献した。一夜明けたこの日の試合前、「記録は素直にうれしい。でもあの時の感触はもう残ってはいない。もちろんピッチャーも違うわけですし、また仕切り直しです」と臨んだが、ソフトバンク投手陣に封じ込まれた。「明日とにかく切り替えてやるしかない」と、言葉に力を込めた。
やるしかない。もう後がなくなってしまった。今日29日の第5戦に勝つ以外、日本一の道はない。シリーズ最後となる本拠地・神宮での試合。真中監督は「後がないので、また明日必死にやります」と残された可能性を信じた。最後まで諦めない。崖っぷちからはい上がり、敵地ヤフオクドームへ戻る切符を手にする。【栗田尚樹】



