阪神が来春の2軍高知・安芸キャンプで臨時コーチとして江夏豊氏(67)を招へいするプランを持っていることが17日、分かった。今年の沖縄キャンプで臨時コーチとして40年ぶりにタテジマ復帰した伝説の左腕。今後の本人とのスケジュール調整次第だが、2年連続で実現すれば、掛布雅之2軍監督(60)とのタッグで金本阪神の底上げに尽力することになる。
話題満載だった金本体制初の秋季キャンプが、1軍の高知・安芸と2軍鳴尾浜で同時に終了した。来年2月も新監督、矢野作戦兼バッテリーコーチら豪華首脳陣が新たに就任した沖縄・宜野座キャンプが注目だが、どうやら2軍の安芸キャンプからも目が離せそうにない。球団関係者によれば、大物OB江夏氏を臨時コーチとして招へいするプランがあるという。
江夏氏は66年、当時の第1次ドラフト1位で阪神に入団。2年目には25勝12敗で最多勝を獲得し、401奪三振のプロ野球記録をつくった。71年オールスターでは史上初の9者連続奪三振を達成した。
76年に南海へトレード移籍して以降、タテジマから遠ざかっていた同氏は今年2月、電撃的に虎復帰した。沖縄・宜野座キャンプで臨時コーチとして指導にあたった。連日、ブルペンを視察し、藤浪らにキャッチボールの重要性を説くなど、現場コーチ、選手に配慮しながら独自の指導を行った。
現在、チームの課題の1つとして左腕投手が育っていないことが挙げられる。先発の中心である能見、岩田の他には、金本監督が先発入りを期待する若手有望株の岩崎。さらには岩貞、横山のドラフト1位コンビに、金本監督が高評価する島本もいる。この課題を解消すべく、すでに来春は沖縄・宜野座キャンプにOBの下柳剛氏が臨時コーチとして参加することが決定。1、2軍のメンバー振り分けは来年1月に監督以下首脳陣の話し合いで決定されるが、仮に安芸スタートになったとしても選手には“伝説の左腕”に触れるチャンスが与えられることになる。
この秋、掛布2軍監督が指揮した鳴尾浜のキャンプにはファンが大挙して詰めかけた。日によっては入場制限され、球場外に長蛇の列ができたこともあった。江夏氏の招へいは今後の本人とのスケジュール調整次第だが、江夏&掛布の夢のタッグが実現すれば、春の高知・安芸に再びフィーバーが巻き起こることになりそうだ。
◆江夏豊(えなつ・ゆたか)1948年(昭23)5月15日、兵庫県生まれ。大院大高から66年1次ドラフト1位で阪神入団。在籍中に最多勝2度(68、73年)最優秀防御率1度(69年)。阪神在籍159勝は球団4位。76年南海にトレード移籍し、救援転向。広島、日本ハム、西武と移り、最優秀救援投手5度。84年引退。実働18年で通算206勝158敗193セーブ、防御率2・49。左投げ左打ち。
◆江夏氏の今春キャンプ 臨時コーチとして沖縄・宜野座キャンプ入り。藤浪に「キャッチボールから全身を使え。イニング数は220(以上)」、能見には「目の色を変えて投げろ。三振を取るんだ」などと指導した。練習後の宿舎では、9回裏無死満塁を切り抜けた、広島在籍時79年の近鉄との日本シリーズ第7戦「江夏の21球」の心境を投手陣に語る「特別講演」を開いた。最終日の8日には、育成から支配下登録された島本に「去年まで3桁の背番号だったのに、いい球を投げる」と自身のグラブをプレゼント。投手陣に「工夫で道を切り開け」と言い残した。



