仲間にささげる優勝だ。首都大学野球秋季リーグは1日、神奈川・バッティングパレス相石スタジアムひらつかで第5週第2日が行われ、日体大が7-2で武蔵大に逆転勝ちし、開幕8連勝で勝ち点4として、1カードを残し3季ぶり23度目の優勝を決めた。

 古城隆利監督(48)は3度胴上げされた後「強い思いがあった」と、負けられなかった理由を明かした。9月25日、同部の相曽幸宏(あいそ・ゆきひろ)さん(1年=帝京)が19歳の若さで亡くなった。リーグ未出場ながら、今後が期待された外野手だった。開幕前日の9月1日におたふくかぜになり、3日に倒れ病院に搬送された。髄膜炎と診断されていた。

 チームは29日の通夜に全員が参列。30日の告別式は、一部部員以外は試合へと向かった。この日先発の松本航投手(3年)は「相曽が日体大に所属していたことを誇りに思えるよう、優勝しかないと思っていた」。大学日本代表右腕は、137球を投げ9安打13奪三振2失点の完投で応えた。

 ここがゴールではない。「全勝したい」と松本航。さらに、関東選手権(日程未定)から初の明治神宮大会(11月10日開幕)まで、道は続いている。【石原正二郎】