5年目の中日井領雅貴外野手が主役に躍り出た。8回、京田の適時打で1点を勝ち越し、なおも2死満塁。3番手近藤の初球をフォークを快音とともに打ち返した。この日4安打目。走者一掃の三塁打で試合は決まった。

「真っすぐを打ちにいったけど、たまたまフォークに反応できた。うれしい」。報道陣に囲まれる状況に戸惑いながら、試合を振り返った。7回にこの日2本目の二塁打を放ち、プロ入り初の猛打賞。4安打目の三塁打は、今季14安打目。昨年までの4年間で打った安打数(13安打)を約3カ月で上回った。「今年が最後の覚悟でやってきた。後悔したくない。(今年は)思い切ってやろう」。決意のシーズンに輝きを見せ始めた。

与田監督も井領のブレークを手放しで喜んだ。「井領はベンチでも声を出して盛り上げてきた。自信にして、結果を生かして欲しい」。チームは、5カードぶりのカード勝ち越しを決めた。6月初の連勝は礎になる。【伊東大介】