松坂大輔投手(39)が、西武に帰ってきた。11日、都内のホテルで自身2度目の入団会見に臨んだ。

06年にポスティング移籍でメジャー挑戦して以来、国内外4球団を経て、14年ぶりの復帰。「家」と表現した西武で「最後はここ」とプロ野球人生をまっとうする覚悟まで口にした。来季40歳でプロ22年目を迎える平成の怪物が、令和に最後の花を咲かせる。

   ◇   ◇   ◇

野球界において、その名を知らぬ人はいない「平成の怪物」は自己紹介を終えると、いたずらっぽく言った。「手短にお願いします」。テレビカメラ16台に囲まれた松坂は白い歯を見せながら着席。14年ぶりに戻る感謝と、最後のユニホームになる覚悟を語った。

「やっぱりライオンズに戻って来られるというのは、なんて言うんですかね。家に帰ってきた感覚。決まった時は本当にうれしかった」

2度目の西武のユニホーム。「このタイミングでまたライオンズのユニホームを着られることになって、それに関しては現役の最後はここなのかなと、今は思っています」。16番のユニホームを脱ぐときは現役を退くとき。「終わりが見えているけど、かといって2年先、3年先を見られるわけではない。特にこれから1年1年の過ごし方が、今まで以上に濃いものになる。毎日、考えて過ごしている中で、プレーする期間が延びていったらいい」。1年勝負で、40歳を迎えるプロ22年目に臨む。

会見直前、別室で正式に契約書にサインした。移籍当時は2軍監督だった渡辺GMと昔話。「球も遅くなりましたし、やりたくなかったボールを動かす投球をしている。でもそうしていることが今、自分の生きていく道だと思ってやっている」。生き抜くすべを考え抜いて、たどり着いた先が古巣だった。

拠点の米国で来年2月1日のキャンプインに備える。宮崎・南郷での1軍キャンプの可能性は十分。本拠地お披露目は最短3月13日からのオープン戦のヤクルト3連戦だ。「今持っている気持ちが燃え尽きてやめられる時まで、持ち続けてやっていきたい」。尽きない野球と西武への思いを原動力に、プロ野球人生最終章を走り抜く。【栗田成芳】