リーグ制覇へ、新主将がチーム内改革に着手する。沖縄・名護で先乗り自主トレに参加している日本ハム西川遥輝外野手(27)が29日、第1弾として、これまで離れていた投手と野手のロッカーを“ごちゃまぜ”にする考えを明かした。

選手間のコミュニケーションを密にするのが狙い。沖縄入りを前に、同じ和歌山出身のレイズ筒香嘉智内野手(28)から人間力を学んだ新リーダーが、若いチームに強固な絆を作る。

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2月1日のキャンプインを前にして、新主将の覚悟は決まっていた。一足早く沖縄入りし、練習を終えた西川の言葉に、自然と熱がこもった。「投手と野手の壁をなくしたい」。ぶちあげたチーム改革案の第1弾は、球場で選手が使用するロッカーについてだった。

西川 今までは、投手と野手でロッカーが分かれていたりとかしたので…。極力、話しができるように。(投手のところに)野手を入れたりしたい。

昨季はリーグ5位の悔しい結果。巻き返しの第1歩として考えたのが、チームワークの強化だった。

隣人とは、自然に会話が生まれるもの。春季キャンプを行う名護でも、本拠地の札幌ドームでも、考えは同じだ。可能な限り、ポジションによって固まりがちなロッカーの配置を工夫することで、風通しを良くし、12球団随一と誇れるほどのチームワークを築く狙いがある。

27日に沖縄入りする前には、米球界への移籍が決まったレイズ筒香のもとへ足を運び、5時間の野球談議をしたという。「ディープな内容」と詳細は伏せたが、DeNAで昨季まで主将を務めた同郷・和歌山の先輩の人間力に「『かなわんな』と思った」と改めてほれ込み、刺激を受けたのは確かだ。

この日は、坂道でのダッシュやジャンピングスクワットなど、瞬発力に必要な速筋を鍛えるメニューを約1時間こなした後、他の先乗り自主トレ組とフリー打撃などで汗を流した。球団の歴史を振り返っても、異例と言える金髪の新主将は「(髪の色は)変えないよ。監督は『何も変えなくていい』って言っていたし」。外見は変わらなくても、内面は既にチームリーダーとしての自覚にあふれている。【中島宙恵】

◆投手組と野手組 シーズン中、試合前練習での接触はほぼない。野手は本塁付近での打撃練習や、内外野の守備練習を行うが、投手組は中堅フェンス手前に集まり、キャッチボールやトレーニング、ダッシュなどのメニューをこなす。試合中もベンチに座るのは投げ終わった投手くらい。登板を準備する投手はブルペンで待機する。キャンプ中も別々の練習メニューがほとんどで、一緒にグラウンドに立つのは、サインプレーなどの投内連係の確認など。練習終了の時間も、一般的に投手の方が早い。