ロッテの種市篤暉投手がプロ初完封で、チームを負け越しの危機から救った。9回4安打10奪三振で、今季リーグ完封一番乗り。「完封したいなと去年の最終戦から思っていました」。高め直球と低めのフォークを、いつも以上に空振りさせた。

直球を速くしたい-。その一心で肉体を鍛え、見合うフォーム作りに苦心した。「早くトップを作るイメージで。いつもは腕が遅れて開きながら投げる印象なんですが、今日はそれがうまくできました」。直球の角度の源になった。

フォーム固めに、味方の攻撃中も投げまくる。1死後にはもうベンチを出る。6回表は22球、7回表も22球、4得点した8回表は41球。「いろいろな投げ方をしてみて。いつも多いですけれどね」。完封を決めた136球目が、この日最速149キロ。「あれだけの球数を投げられる自信にもなりました」と胸を張る。

エースの階段を上る。今季開幕から6戦連続QS(先発で6回以上、自責点3以内)達成は、リーグで1人だけだ。「次回も気を引き締めて登板したい」と話す。これだけの投球をしても、理想のフォーム追究はまだ道半ば。若き求道者は「終わらないと思います」と口にした。【金子真仁】