完全に浮足立っていた。日本ハムは終盤の守乱で、最大4点あったリードを守れなかった。13日ロッテ9回戦(ZOZOマリン)で、同点の7回、2つの失策に野選も重なりピンチを広げて、あっという間に勝ち越しの3点を許してしまった。痛恨の逆転負け。チームは3位浮上を逃し、栗山英樹監督(59)の通算600勝も14日以降へ持ち越しとなった。

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熱気にあてられたかのように、勝負どころでミスが連なった。日本ハムは同点の7回、ミスがミスを呼び、勝ち越しを許した。

負の連鎖は、清宮のまずい一塁守備から始まった。先頭マーティンの打球を逆シングルで取りに行ったが、バウンドが合わずに、まさかの後逸。その後、三塁強襲安打で1死一、三塁となり、今度は三塁を守る横尾が三ゴロ処理を誤って、二塁へ悪送球。勝ち越しを許して緊張の糸が切れたのか、ミスは止まらない。ゴロを捕球した遊撃の名手中島まで、野選でピンチを広げて、この回3点を失った。バタつく内野陣の真ん中で、1人冷静だったベテラン金子は、アウト3つを三振で奪うしかなかった。

嵐の予感は、あった。試合開始が近づくにつれて、敵地の空を灰色の雲が覆い、雷鳴が迫ってきた。突然の土砂降りの雨で、試合は10分遅れで開始。気温30度、湿度90%近くと蒸し風呂のような環境の中、いつの間にか集中力が失われたのかもしれない。試合後「しっかり、やります。いろんなことがあるからね」と言葉少なに話した栗山監督は「誰が悪いとかいうのではなく、こっちが悪いんだ。こっちの指導不足です」と、頭を下げた。

5回までに最大4点あったリードを守れず、痛恨の逆転負け。調子が悪い選手も「オレが100%信じなかったら何も起こらない」と信じて試合に送り出してきた指揮官は、すべての結果を受け止め、翌日の勝利を目指すしかない。チームは3位浮上を逃し、自身の600勝も14日以降へ持ち越しとなった。【中島宙恵】