ヤクルトの将来のローテーション投手へ-。高津臣吾監督(51)が、金久保優斗投手(21)へ高い期待をかけている。

先発2試合目となった5日の阪神戦で3回0/3を被安打9の6失点、77球で降板。それでも試合後、高津監督は「全然、結果は気にしていない」ときっぱり答えた。

ゆったりと足を上げるフォームから繰り出す直球は、威力がある。2回2死一、二塁、代打中谷をカウント2-2から外角低めいっぱいの最速152キロ直球で見逃し三振。将来性を感じさせる1球だった。

初先発した10月29日広島戦は5回被安打1の無失点に抑えており、指揮官は「前回と変わらず、いい滑り出しかなとは思ったんだけどね、少しずつでも前進、成長してくれているような気はします」と振り返った。

18年に右肘のトミー・ジョン手術を受け、長期間のリハビリを経て3年目でようやく1軍デビューした。中継ぎとして踏んだ初めての1軍のマウンドは、10月22日巨人戦。坂本、岡本、丸を3者凡退に抑えるなど2回を無失点。

阪神戦までは7イニング無失点だっただけに、甲子園でプロの洗礼を受けた形となった。誰しもが、必ず通る道。焦りや不安、動揺を経験することも、すべてが勉強だ。すでに最下位が確定しているリーグ戦でも、若者にとっては貴重なマウンド。4回の無死満塁のピンチも、本人に切り抜けてもらいたかったのかもしれない。高津監督は「もちろんいい結果は出してほしいとは思うけど、打たれようがあんまり僕自身が気にしていなくて、勉強だと思っている。次に、また来年に、しっかり勉強していかしてくれたらいいと思っています。打たれることもあるでしょうし、打たれて覚えなきゃいけないこともたくさんあると思うので、良い勉強になったと思いたい」と話した。

金久保を、必ず先発ローテーションの1人に育て上げる-。かかる期待は大きい。【保坂恭子】