日本ハム杉浦稔大投手(28)が、先発ノルマに初の2ケタ勝利を掲げた。16日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、1700万円増の3700万円で更改。今季は移籍後、自己最多17試合に登板して7勝5敗の成績を残した。シーズン終盤には抑えも経験。球団には先発、抑えにこだわらない「何でも屋」としての存在をアピールした。先発なら8年目のシーズンは、2ケタ勝利を目標にする。(金額は推定)

   ◇   ◇   ◇

自信深まるシーズンになった。杉浦が1700万増の3700万円でサイン。契約の場では「来年以降も1戦1戦、勝ちに貪欲にやりたいです」と、熱い気持ちを伝えた。ヤクルトからトレード移籍後、最多17試合に登板。先発の一角として7勝5敗を挙げ「まだまだ上を目指せる数字だと思いますけど、僕の今までのシーズンの中では、やっと1つベースになる数字を残せた」と振り返った。

貴重な経験が、自覚を芽生えるきっかけになった。今季最終戦の11月9日ロッテ戦では9回に登板、プロ初セーブを挙げた。今オフは先発、抑えどちらでもいけるようにケガをしない体づくりに励んでいる。「どこでも好きなように使ってくださいと、お話しさせてもらった」と明かし、球団からは「いい意味で悩みが増えた。(先発、抑え)どちらになっても、優勝するために活躍してもらわないと困る」と大きな期待を寄せられた。

高い壁を越えようとしている。先発での目標を初の2ケタ勝利に設定。長年、不安を抱えていた右肩痛は年々癒えており、来季はフル回転も覚悟している。「チームで1番投げているピッチャー(有原)が抜けるかも知れないので、誰かが補わなければいけない。先発で1年間回る以上は2ケタ勝っていかないと、チームが良い状態ではない」と強い使命感をにじませた。

年明け1月は、母校・国学院大を拠点にトレーニングを行う。春季キャンプ地の沖縄には例年以上に早く入る予定で、温暖な地で肩を作り上げ、2月1日のキャンプインに本格的に投げられる状態にする。「今までは(右肩の影響で)配慮されながらの起用だったと思う。もっと、良い意味で使われるようなピッチャーにならなきゃいけない」。心身とも頼もしさが増した姿で、球春到来を迎える。