ロッテ佐藤奨真投手(24)がうれしいプロ初勝利を挙げた。左腕からの独特の緩急を存分に生かし、6回を2失点。佐野に2ランを浴びたものの、佐々木朗が平均157.8キロの直球を披露した翌日に、対極の投球で強力打線を手玉に取った。

荒天のため30分遅れてのプレーボール。初回、いきなり1番佐野に安打されるものの、落ち着いて2死に。前日11日に佐々木朗の130キロのカーブを本塁打にした4番牧には、いきなり93キロのスローカーブでストライクを取り、最後は120キロのチェンジアップで空振り三振に仕留めた。最速は139キロながら、打者1巡目だけで4つの三振を奪った。自身の長所を「奥行き」と表現する左腕。変化球を増やした2巡目以降は、力のないフライを量産した。

同じチームに最速164キロ右腕の佐々木朗がいることもあり、何かと球速が注目される。自己最速が141キロの佐藤奨は、球速については「半分あきらめているというか。そこまで自分にも期待してないので。160キロ? アニメのような夢の数字ですね」と苦笑いしつつ、プロ入り後も個性を磨いてきた。

東京・墨田区出身。関東第一(東京)から専大を経て、20年育成ドラフト4位で入団した。プロ1年目の昨季は2軍で2完封を含む7勝をマーク。今シーズン開幕前の3月22日に支配下選手登録され、この日で4試合目の先発マウンドだった。佐藤奨の粘りの投球で、チームも交流戦勝ち越しを決めた。【金子真仁】

◆佐藤奨真(さとう・しょうま)1998年(平10)6月2日生まれ、東京都墨田区出身。関東第一では3年春夏に甲子園出場。専大を経て、20年育成ドラフト4位でロッテ入団。1年目は2軍で7勝5敗、防御率3・50。今季の開幕直前に支配下登録され、3月31日ソフトバンク戦でプロ初登板。今季推定年俸420万円。177センチ、78キロ。左投げ左打ち。

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