ロッテ佐々木朗希投手を大船渡高2年時に「江川級」と表現した元プロ野球選手がいる。中日、巨人などで捕手として活躍した中尾孝義氏(67)。84年オールスターで巨人江川卓が8者連続奪三振の伝説をつくった時も捕手で受けた中尾氏だけに、指標としては説得力がある。
18年9月24日、岩手県秋季大会3位決定戦。佐々木朗に勝った専大北上の指揮を執っていた。試合後、印象を聞くと目尻を下げて「江川級ですよ」。なんだかうれしそうだった。
「オレは江川と高校生の時に対戦してファウルしか出来なかったけれど、『ピュー、ピュー』って音と、浮き上がってくるような球の伸びは一緒。指にかかるスナップの強さは、突然変異だよ。プロでも『シュー、シュー』なんですよ」。股関節痛を抱え、この時点の最速157キロには大きく及ばない状態ではあったが、「ケガさえせずに成長したら、江川どころか(現レンジャーズの)チャプマン級になっちゃうんじゃない。末恐ろしいよね。(将来は)『佐々木朗希に勝った監督』って言われるかな」と朗希談議に夢中だった。
高校生史上最速163キロをマークしたのは、この半年後。「元祖怪物」を熟知する男の予言は「令和の怪物」となって的中した。【鎌田直秀】



