巨人阿部慎之助監督(45)が待ち続けた新風が吹いた。無得点のまま2点を追う9回に6安打、8人連続出塁、打者13人の猛攻で一挙9得点で逆転勝利を収めた。2位広島との首位攻防3連戦で連勝を飾り、カード勝ち越しが決定。前夜は積極采配で鬼門の敵地で先勝をもぎ取ったが、この日は一転、動かずに我慢を貫き、最終回の逆転を呼び込んだ。広島とのゲーム差は3に広がり、最短で13日にも優勝マジック12が点灯する。

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吹かぬなら、吹くまで待とう…。阿部監督が8回まで辛抱強くダッグアウトにとどまった。わずか3安打に抑えられて無得点が続いた。攻撃の糸口すら作れずに、ゼロ行進が進んだ。「やっぱり勝てないマツダで、初戦は絶対に取りたいと思って動いたんですけど、今日は我慢、我慢と自分で言い聞かせてやっていました」と心中を明かした。

掲揚台の旗がかすかに動き始めた。8回の守備で1死から門脇が秋山のライナー性の打球をジャンピングキャッチ。続く矢野には右中間を破られるも浅野-吉川-坂本の中継プレーで三塁で仕留めた。「吉川と門脇のファインプレー。そこで若干の流れがこっちにきたんじゃないかなと思ったんですけど、やっぱりそういうところですね」と予感を感じとった。

2点を追う9回。時は来た。先頭の代打中山、丸が連続四球で一、二塁。続く坂本には「どんな結果でもいいから、好きに打ってこい」と託し、左前打で無死満塁の絶好機をつくった。吉川が押し出し死球で1点差、岡本和の左前適時打で同点。モンテスが押し出し四球を選んで勝ち越して、相手守護神栗林をKO。さらに門脇、浅野、代打長野、増田大も連なった。

9回一挙9得点は球団では第1次長嶋政権下でリーグ優勝した77年6月13日大洋戦(現DeNA)以来。伝説の「9回9得点」はリーグ優勝への吉兆データとして浮かび上がるが「ベテランが打ったり、若い選手が打ったり、そうやって1つずつ、こうやって勝てばどんどん成長していくと思う」と優勝争いの中での成長曲線こそが未来への肥やしになる。

強引に吹かせる風があれば、吹くまで待つ風もある。「連勝はしたけど、本当に最後までもつれると思ってずっとやっている。今日はちょっとうれしいですけど、もう1回、明日なったらビシッと切り替えてね。明日の一戦を勝つためにどうしたらいいかを考えて球場に来たいと思います」と阿部監督。新風の勢いは増すばかりだ。【為田聡史】

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