日米通算258セーブ、205ホールドのオリックス平野佳寿投手(42)が選択した今季限りの現役引退の決断には指導者の目も含まれた。プロ21年目のシーズンは投手コーチの肩書も加わった。春季キャンプでは選手としての練習後には、コーチミーティングにも出席。指導方法なども頭に詰め込んだ。
コーチ平野は、4月にファーム落ちした選手平野を1軍に推薦できなかった。「僕を(推薦)? それで(上に)行ったら、みんな黙ってないと思いますよ。それは分かります、自分で。戦力になってないのに上げられるのは、僕の中でも本当に嫌だったので」。ツーシームやカットボール習得に挑戦。ベテラン選手としても、2年前から自らの状況を鑑みてきただけに、決断は早かった。「今年に限らず、『僕よりもいい若手が今いますから、そっち使ってあげてください』っていう風になってたと思います」
背番号16番を背負うのは今季限りになるだろう。マウンドの恐ろしさは誰よりも知っている。右ひじにメスを入れた経験もあり、故障の怖さも知る。最高の思い出は21年のリーグ優勝。日本一も経験した。酸いも甘いも知るレジェンドは、来年から後輩たちへ知識の伝道師に専念する。【伊東大介】
◆平野佳寿(ひらの・よしひさ)1984年(昭59)3月8日、京都府生まれ。鳥羽(京都)から京産大を経て、05年ドラフトで大学・社会人希望枠でオリックスに入団。10年にリリーフ転向し、11年に最優秀中継ぎ、14年に最多セーブのタイトル獲得。17年オフに海外FA権を行使し、ダイヤモンドバックス、マリナーズで活躍した。21年にオリックスに復帰した。日米通算850試合登板、65勝87敗258セーブ、204ホールド。186センチ、90キロ。右投右打。



