ソフトバンクの上沢直之投手(32)が敵地ハマスタで絶叫した。97球目。なりふり構わず腕を振った。1-0の7回2死二塁。一打同点のピンチでギアを上げた。最後は戸柱をこの日最速の151キロ直球でバットに空を切らせた。空振り三振で締め「シャーッ」。クールな男も、あふれ出る感情を抑えられなかった。
「大事な場面だったので。最後はマックスを出しました」
苦しい滑り出しだった。初回だ。先頭の度会に死球を与えた。しかも初球だ。続く牧に左前打。1死一、二塁から筒香にも左前打を許した。球がすっぽ抜け、制球も定まらない。本来の姿とはほど遠かった。「相変わらず立ち上がりの悪さを見せてしまいました」。だが、慌てない。同満塁で梶原を注文通り遊ゴロ併殺。本塁は踏ませなかった。
2回以降は粘った。6回まで得点圏すら踏ませない。真っすぐに多彩な球種を織り交ぜた。3者凡退は2度も、勝負どころで決定打は許さなかった。「自分の仕事はできたと思います。粘り強く投げられた」。4勝先取の戦い。内容よりも結果を重視し、先発の役目を果たした。
気迫の投球で7回を投げ6安打無失点、4奪三振。レギュラーシーズンに続き今季2度目の“開幕投手”だった。シリーズに限れば自身初の大役。マウンドで堂々のたたずまいを見せ、チームに大きな勝利を呼び込んだ。【佐藤究】



