大関豪栄道(境川)が、4月6日で30歳になった。1986年(昭61)生まれは、稀勢の里、勢、妙義龍らも含めて幕内に7人おり、年代別では最大勢力だ。その中で最初に区切りの誕生日を迎えたわけだが「特に何もないっすよ。ただ1つ年を取っただけ」と、大きな感慨はなかった。

 体と体をぶつけあう消耗戦の相撲界で、ひと昔前なら30歳はベテランの域だった。だが、科学的トレーニングや栄養補給も進歩した現在では、30歳も中堅の序盤くらいのイメージか。豪栄道も「まだ強くなれると思ってやってる」と、今後の伸びしろを信じている。

 体を若く、強く保つために「食」へのこだわりは人一倍ある。焼き肉好きで、ほぼ毎日肉を食べているが、肉質には毎度目を光らせている。「ちゃんとした肉を食わないと、悪い肉は脂も悪いから体も悪くなる。いい肉は脂もいいから、胃ももたれない」と断言する。いろいろな添加物が注入されているコンビニ弁当は決して口に入れないし、巡業で配給される弁当も食べることはない。「現役のうちは、ご飯もちゃんとしたもんを食べて、サプリメントも取って、自分の体にお金をかけないと」と、プロ意識を高く持つ。

 3度目のかど番だった春場所では、大関昇進後最高の12勝を挙げて地元の大阪を盛り上げた。この勢いに乗って、次に目指すのは悲願の賜杯奪取だ。「やっぱり優勝したい。いい1年にしたい」。初場所では琴奨菊が31歳で初優勝を果たした。いい脂を食して、まさに脂が乗ってきた30歳の豪栄道も、先輩大関に続きたい。【木村有三】